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SNS(交流サイト)の普及やコロナ禍における非対面の常態化で、一昔前の広報の常識が通用しなくなった。採用やブランド価値向上などを狙った広報活動はどうあるべきか。広告や企画に詳しい3人のプロが、SNSのコツから市民との付き合い方まで、5つのポイントを伝授する。

1 肩肘張らずひたすら情報発信

 「SNS(交流サイト)で1番重要なのは、肩肘を張らずに投稿することだ。初めは格好いい投稿をしようと頑張るが、ギアを上げ過ぎるとまず続かない」

 こう話すのは、広告業界で長年働いて、数年前から土木の広報プロデューサーとして活躍するディレットプラス(福岡市)の小川慎太郎代表取締役だ。建設会社などから、SNSの運用についてアドバイスを求められるケースが増えているという。

 中でも多く寄せられる質問が、投稿内容についてだ。

 「SNSには人柄が出る。SNSで発信する内容は、基本的には自分がどういう人間であるかが伝わればいいと思っている。仕事や好きな食べ物、趣味など、最初は日記程度でもよい。やってみることが重要だとアドバイスしている」(小川代表)

 加えて、投稿に対する反応やフォロワー数をできるだけ気にしないこともポイントに挙げる。反応を気にして投稿内容を深く考えてしまうあまり、投稿がおろそかになる可能性がある。

 誰が投稿するのかという質問も少なくない。小川代表は、「基本的に経営層が発信することを勧めている。若手に任せる場合は、SNSも仕事の1つと認めた上で、最低限のルールだけ決めて後は自由にやらせることが重要だ」と話す。社員の当番制などにすると、「業務が忙しいから無理」というパターンに陥りがちだからだ。

(写真:日経コンストラクション)
(写真:日経コンストラクション)
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ディレットプラス代表取締役
小川 慎太郎(おがわ・しんたろう)

イベント業界で25年以上、セールスプロモーションの企画立案に携わる。市民向けの土木広報イベントのアドバイザーを引き受けたのをきっかけに、土木に魅了されて2017年に独立。ディレットプラスを立ち上げる。土木広報プロデューサーを名乗り、土木の広報活動に励む。ニックネームは「おがしん」

2 SNSはブログと絡める

 SNSは利用するサービスによって特徴が異なるので、投稿する内容によって使い分けた方がいい。テキストが主体であればTwitter(ツイッター)、動画が主体であればYouTube(ユーチューブ)やTikTok(ティックトック)という感じだ。

 「SNSの基本特性を知った上で、自分の会社にできそうなことは何かを突き詰めればいい」と小川代表は言う。例えば、写真が好きで撮りためている社員がいれば、Instagram(インスタグラム)の投稿を検討すればよい。

 ただ、そこで終わってはならない。「毎日欠かさず書いてほしいと伝えているのがブログだ。日々の活動や現場の話などを蓄積できる。SNSからブログへ誘導させたい」と小川代表は話す(図1)。

図1■ Instagramからブログへ
図1■ Instagramからブログへ
阪神高速先進技術研究所はInstagramで職員が撮影した写真を投稿している。加えて、「カンサイドボクスタイル」というウェブマガジンを作っており、Instagramにリンクを張っている(資料:阪神高速先進技術研究所)
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 例えば、就職活動中の学生の立場で考えてみる。学生は志望する企業を事前に調べるはずだ。その際、SNSからホームページに載っている難しい会社案内に誘導するよりも、社長と若手社員がボーリング大会に参加したというようなブログの記事の方が学生には取っ付きやすいし、会社の雰囲気も感じ取りやすい。