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生産性向上は大手が実践していても、中小はまだまだ──。そんな見立てを覆す建設会社が現れている。初めに紹介するのは土木部門全員にICT(情報通信技術)施工を学ばせた森下建設(島根県江津市)だ。経営コンサル会社と二人三脚でノウハウを身につけた。

 江津市を流れる八戸川沿いで県道改良工事が続いている(写真1)。現在3期目に入った。延長約50m、高さ10m前後の斜面を掘削した後にモルタルを吹き付けて、プレキャストコンクリート(PCa)擁壁と軽量盛り土で道路を造る。

写真1■ 島根県が発注した道路改良工事現場。取材時は3期目の工区でモルタルを吹き付けた斜面にアンカーを打設する準備をしていた(写真右)。写真左側に工事を終えた1期と2期の工区が並ぶ(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 島根県が発注した道路改良工事現場。取材時は3期目の工区でモルタルを吹き付けた斜面にアンカーを打設する準備をしていた(写真右)。写真左側に工事を終えた1期と2期の工区が並ぶ(写真:日経コンストラクション)
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 現場を率いるのは社員数50人弱の森下建設だ。同社はこの現場にICTを活用している。自動追尾型のトータルステーションで掘削面の形状を管理。3次元の設計データと照らし合わせて、バックホーで掘削すべき場所や深さを判断している。施工時に基準面となる位置を板材で示す「丁張り」はほとんど出てこない。

 「測量作業で掘削した地山に作業員が近づく回数が減った。多いときは3人以上必要だったが、今は1人で済む」。主任技術者を務める水野薫土木課長はメリットをこう説明する(写真2)。

写真2■ 施工現場を管理する森下建設の水野薫土木課長(写真:日経コンストラクション)
写真2■ 施工現場を管理する森下建設の水野薫土木課長(写真:日経コンストラクション)
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