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22年3月中に国が要領を作る

 国も小規模現場でICTの活用を進めるために、発注体制を整備している。20年度には施工者希望II型で「簡易型ICT活用工事」を試行。3次元設計データの作製や3次元出来形管理をはじめとした施工管理、3次元データの納品を実施すれば、経費がかかるレーザースキャナーによる測量やICT建機での施工をしなくともICT活用工事の実績を認めるようにした。

 21年10月には、国土技術政策総合研究所が茨城県つくば市に構える「建設DX実験フィールド」に有識者らを集め、MG機能を搭載した小型バックホーでの施工とスマホやタブレットを使った出来形計測の実用性を検証した。

 MG機能と出来形計測について、4社のサービスを使ったデータを解析。使いやすさや精度、価格帯などを検討した。参加者へのヒアリングでは、どの技術も現場実装が可能であるとの回答が8割強に上った。

 これらの結果を踏まえて、22年3月中に土工量1000m3未満の土工事を対象としたICT施工の管理要領をまとめる(図4)。

図4■ 2022年3月中に小規模現場向けのICT施工要領をまとめる
図4■ 2022年3月中に小規模現場向けのICT施工要領をまとめる
国土交通省の資料や取材を基に日経コンストラクションが作成
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 掘削時の出来形や出来高は、トータルステーションやRTK(リアルタイムキネマティック)-GNSSなどを使った断面管理を標準とする。ただし、施工箇所の点群データを出来形などの管理に使う際には、従来の地上型レーザースキャナーに加えて、LiDARを搭載したスマホやタブレットでの計測も認める方針だ。

 例えば管路の敷設工事の場合、MGを使った建機で地盤を掘削した溝の幅や深さ、埋め戻し土量といった出来形などが対象となる。

 国交省公共事業企画調整課の宮本雄一課長補佐は「小規模な現場向けの技術を使うルールが不十分なためにICT施工が普及しないのはもったいない。施工規模を問わず、ICT施工の普及を図りたい」と意気込む。今後は現場でのICT活用事例に基づいて、基準類を設ける工種も広げていく。