新型コロナウイルスの感染拡大が続き、働き方は大きく変わった。先行するのが建設大手4社。大林組は固定席撤廃、大成建設は男性育休100%──。スタンスの違いこそあれ、各社の取り組みは業界をリードする。

特集
建設大手4社比較 コロナ後の働き方
目次
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時系列図が示す各社スタンスの違い
建設会社大手4社が打ち出した新型コロナウイルス対策を時系列で並べると、4社の新型コロナに対するスタンスの違いが浮かび上がってきた。1つの対策で終わらせず、制度の新設や改定などで柔軟に対応する点が目立つ。
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コロナ後も鹿島磐石、大林躍進
新型コロナウイルス感染拡大の前後で、社員からの会社評価はどのように変化したのか。社員口コミサービスOpenWorkの協力を得て、社員の「本音」を集計。コロナ後の評価で明暗が分かれた。鹿島がコロナ前後でともに1位。大林はコロナ後に大きく評価を伸ばした。
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現場編 朝礼も作業所も「新常態」に変化
コロナ対策で生産性も上がる
新型コロナウイルスの感染拡大から2年がたち、職場での対策が浸透してきた。コロナを制約と捉えるのではなく、生産性向上のチャンスとする例が目立つ。4社の最先端の働き方から、次のスタンダードが見えてくる。
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オフィス編 固定席撤廃が新たな標準に
コロナ対策で生産性も上がる
「建設会社にフリーアドレスは無理だよ。発注者との打ち合わせ資料に図面や積算資料。机はいつも紙だらけだから」。新型コロナが流行する前、大手建設会社の人事担当幹部は日経コンストラクションにこう語っていた。しかし、こうした意見はもはや古い。
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オンラインから対面に回帰も
新型コロナの感染拡大の影響で、オンラインによる新しい研修スタイルが生まれた。大林組では参加率が向上し、大成建設は社員の特性に応じたオンデマンド型を採用。一方で鹿島は対面へ回帰する取り組みを進めている。
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大成が男性社員の育休取得100%に
女性活躍推進のため、男性に焦点を当てた支援制度を整備する建設会社が出てきた。男性比率が8割に達する大成建設は、男性社員の育休取得率100%を達成する見込みだ。鹿島も性別に関係なく、育児に関する研修へ参加できるようにしている。