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 「建設会社にフリーアドレスは無理だよ。発注者との打ち合わせ資料に図面や積算資料。机はいつも紙だらけだから」。新型コロナが流行する前、大手建設会社の人事担当幹部は日経コンストラクションにこう語っていた。しかし、こうした意見はもはや古い。

 固定席の撤廃が大手4社で徐々に進みつつある。先頭を走るのが大林組だ。同社は2021年12月までに、本社オフィスで一部の部署を除き原則として固定席を廃止。部署ごとのフリーアドレスを意味する「グループアドレス」に移行した。

 改修が始まったのはコロナ前の19年。建築設計本部のリニューアルからスタートした。当時の座席は古くからの島形配置。固定席が規則的に並んで通路は狭く、短時間の打ち合わせをするスペースも少なかった。

 「20年以上前に製図板を置いていた時代から何も変わっていなかった。オフィス内を歩いていても、それぞれのプロジェクトの内容や進行状況が全く分からなかった」。設計を担当した大林組設計本部アドバンストデザイン課の木村達治課長はこう振り返る。