全1764文字
PR

女性活躍推進のため、男性に焦点を当てた支援制度を整備する建設会社が出てきた。男性比率が8割に達する大成建設は、男性社員の育休取得率100%を達成する見込みだ。鹿島も性別に関係なく、育児に関する研修へ参加できるようにしている。

 大成建設は2021年度、育児休暇制度による男性社員の休暇取得率が100%に達する見込みだ(図1)。達成すれば3年連続となる。これは突出した数字だ。他の大手3社は、20年度の男性社員の育休取得率が20%に満たない。

図1■ 育児休暇の取得率が3年連続で100%に
図1■ 育児休暇の取得率が3年連続で100%に
大成建設の育児休暇制度で、男性社員が2022年1月31日時点で育休を取得した率。大成建設への取材と資料を基に日経コンストラクションが作成
[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]

 取得率100%の目標を掲げたのは16年度。同時に制度改定に着手し、これまで無給だった育休のうち5日間を有給とした。少しでも育休取得への抵抗感を減らすためだ。

 大成建設管理本部人事部の塩入徹弥専任部長は「目標を掲げた当初は、仕事を長期的に休むと周囲に迷惑をかけてしまうという意識を持つ社員が多かった」と振り返る。

 目標を達成した現状を踏まえ、今後は取得日数の増加に力を入れる。同社の育休は子どもが2歳になるまで取得できる。「19年度に子どもが生まれた男性社員の平均育休取得日数は9.9日とまだ少ないものの、まずは対象社員全員の取得を目指した。『育休は必ず取得するもの』という意識を根付かせることが大切だった」。塩入専任部長はこう説明する。

 育児の支援制度といえば、出産した女性のみを対象とするケースが一般的だったが、男性への支援制度も増えてきた。鹿島が導入した「育休後職場復帰研修」の対象は、育休を取得した社員に加え、上司や他社で働く配偶者も性別に関係なく参加できる。社外の講師を迎え、復職後に起こり得る問題とその解決策を共有する研修だ。

 15年度に同制度を開始した当初は育休を取得した社員のみを対象としたが、18年度に拡充した。

 21年10月に開いた研修には50人ほどが参加。そのうち約半分が育休取得者の上司や配偶者だった。鹿島の市橋克典常務執行役員は「育児は共働きするうえで大きなハードルだ。性別を問わない育児支援を充実させていきたい」と意気込む。