建設コンサルタント会社の業績が堅調だ。2021年に期末を迎えた決算で、増収だった会社と増益だった会社は、それぞれ全体の約7割に上った。コロナ禍の影響を比較的強く受けた海外業務も、次期は改善する見通しだ。一方で、リモートワークの普及やオフィススペースの縮小など、新たな動きが広がっている。
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建設コンサルタント決算ランキング2022
建設コンサルタント会社の業績が堅調だ。2021年に期末を迎えた決算で、増収だった会社と増益だった会社は、それぞれ全体の約7割に上った。コロナ禍の影響を比較的強く受けた海外業務も、次期は改善する見通しだ。一方で、リモートワークの普及やオフィススペースの縮小など、新たな動きが広がっている。
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建設コンサルタント会社の業績は引き続き好調だ。日経コンストラクションが全国の主要建設コンサルタント会社を対象に実施した調査によると、2021年に期末を迎えた決算で増収だった会社は69%に上った。増収会社の割合は、17年に期末を迎えた決算から5年連続で7割前後を維持している。
建設コンサルタント会社の売り上げ拡大をけん引しているのが、国内官公庁発注の業務だ。前期と比べて国内官公庁の売上高を増やした会社は74%に上った。上位20社では、増収だった会社が17社と85%に上る。
国内よりもコロナ禍の影響を強く受けたのが海外の業務だ。渡航制限などの影響で一部の事業に遅れが生じた。しかし、現在は改善されているようだ。一方で、コロナ禍による渡航費の削減が、利益の増加に寄与している。
建設コンサルタント会社の間でテレワークが定着した。在宅勤務や、外出先で仕事をするモバイルワーク、サテライトオフィスなど「テレワーク」の制度を一部でも導入している会社は85%。全社員に導入している会社は46%に上る。
業務の効率化に向けた新技術の導入が進んでいる。9つの選択肢を挙げ、自社で導入して業務効率化に寄与している技術を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのはドローンで、76%の会社が挙げた。20年に実施した同様の調査でも、63%でトップだった。
国土交通省が2022年4月に始めた賃上げ企業への入札優遇策などを背景に、建設コンサルタント各社で給与引き上げの動きが強まっている。八千代エンジニヤリングは他社に先駆けて22年2月10日、社員1人当たりの給与を3%以上引き上げると発表した。
大手建設コンサルタント会社の採用意欲は、依然として旺盛だ。そのため、採用人数が予定数に満たなかった会社は少なくない。日経コンストラクション調査で、予定数に満たなかったと回答した会社の割合は、2022年4月入社の新卒採用が39%、21年度の中途採用では48%に上った。
女性が活躍できる職場づくりに取り組む建設コンサルタント会社は多いものの、女性技術者の比率はまだ高くない。2割未満の会社が、全体の8割近くを占めることが、日経コンストラクションの調査で分かった。回答した会社の女性技術者比率の平均は13.6%だった。
新型コロナウイルスの感染が拡大して2年目となる2021年。業況に目立つ陰りはなかった。業務の分野別に見ても、それぞれの主要企業はおおむね増収で、次期の見通しも良好だ。特に、鋼構造・コンクリート、河川、道路などにその傾向が見られる。
建設コンサルタンツ協会の会員など全国の主要な建設コンサルタント会社511社にアンケート用紙を送付した。有効回答は216社で、回答率は42.3%。