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5段階の活火山噴火警戒度で、最も警戒度が低いレベル1の火山が噴火する例が近年目立つ。一方で、地震と比べて発生頻度が低い火山噴火を注視する自治体は少ない。海外の火山噴火によって日本国内で被害が生じる恐れもある。

 日本は富士山だけでなく、計111の活火山を有する火山大国だ。富士山以外の噴火リスクを見てみよう。

 111の活火山のうち50は、「火山防災のために監視・観測体制の充実などが必要」な状態として、気象庁が24時間体制で常時観測・監視を続けている(資料1)。

資料1■ 50火山を24時間体制で観測・監視
資料1■ 50火山を24時間体制で観測・監視
国内の活火山の分布。茶色で示した50火山は、気象庁が24時間体制で観測・監視している。気象庁の資料を基に日経コンストラクションが作成
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 観測・監視対象のうち周辺に住民などがいない硫黄島を除く49火山は、警戒度に応じた「噴火警戒レベル」で分類。「火山活動は静穏」のレベル1から、「居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生、あるいは切迫」のレベル5まで、5段階で区分している(資料2)。

資料2■ 火山の警戒度を5段階で区分
資料2■ 火山の警戒度を5段階で区分
49火山で運用している噴火警戒レベル。気象庁の資料を基に日経コンストラクションが作成
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 警戒レベルは2022年3月27日時点で、レベル2が5火山、レベル3が2火山。その他の42火山はレベル1だ。しかし、避難指示が発令されるレベル4、5の火山がないからといってリスクが小さいわけではない。

 識者によって見解は様々だが、近年になって火山活動が活発化しているという見方がある。「戦後最悪の火山噴火」とされた14年の御嶽山噴火(長野県、岐阜県)は警戒レベル1だったが、前兆もなく噴火した(資料3)。

資料3■ 火山灰で建物が埋まる
資料3■ 火山灰で建物が埋まる
2014年の御嶽山噴火での救助活動の様子(写真:名古屋市消防局)
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2014年の御嶽山噴火での救助活動の様子(写真:長野県警)
2014年の御嶽山噴火での救助活動の様子(写真:長野県警)
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 御嶽山噴火の他、18年の草津白根山噴火(群馬県、長野県)や19年の浅間山噴火(群馬県、長野県)も警戒レベル1での突然の噴火だった。

 「富士山噴火のハザードマップが改定されて静岡県や山梨県の噴火災害に対する意識が高まっているが、他県や市町村の意識はいまだ噴火に向いていない。火山噴火は地震などと比べて発生頻度が低いことも影響しているだろう」。災害時の情報解析サービスを展開するSpectee(スペクティ、東京都千代田区)の根来諭・取締役最高執行責任者(COO)はこう指摘する。