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新型コロナウイルスの感染症対策「3密回避」で、災害時の避難所の定員が減り、避難所難民が多発。問題になっている。その回避策として導入され始めているのが、飲食店などの混雑状況を端末で把握するサービスだ。避難所向けに転用した新サービスを使う自治体は214に上る。

 避難命令や避難勧告に従って避難所に行ったものの、満員で入れない──。2020年夏に台風9号が九州を襲った際、自治体が運営する避難所では、こうした問題が顕在化した。新型コロナ対策の「3密回避」を意識して定員を調整した結果だ。

 行き場を失った避難者は、空きのある他の避難所を求めてさまよう「避難所難民」となる。その回避策として、自治体での導入が増えているのが、避難所の混雑状況をリアルタイムに配信するこれまでにないサービスだ(資料1)。

資料1■ 避難訓練で自治体職員がバカンのサービスを活用している様子。避難所の混雑状況を、端末から「空きあり」「やや混雑」「混雑」「満員」の4段階で発信する(写真:長崎市)
資料1■ 避難訓練で自治体職員がバカンのサービスを活用している様子。避難所の混雑状況を、端末から「空きあり」「やや混雑」「混雑」「満員」の4段階で発信する(写真:長崎市)
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 提供するのはスタートアップ企業のバカン(東京都千代田区)。レストランの混雑状況やトイレの空き状況などを、センサーやカメラ、AIで画像解析し、可視化して利用者に知らせるサービスを手掛けている。

 避難所向けサービスへの転用は東京都多摩市からのアプローチがきっかけだ。河川の増水に伴う避難が本格化する出水期の前に、避難所の混雑状況を市民に伝える手段としてこのサービスを使えないかと打診され、同社はニーズを初めて認識。防災向けに提供を始めた。