人材育成事業でベトナムへ進出したアース建設コンサルタントは本業での展開も狙う。苦労の末、ようやくJICAの基礎調査に採択されたが、コロナ禍で業務を進められず契約を解消。それでも海外での本業を諦めない同社は、日常を取り戻しつつあるベトナムで事業再開を目指す。
「コロナ禍がなければ国際協力機構(JICA)の仕事を進められ、ベトナムで建設コンサルタント業を展開できていた」。アース建設コンサルタント(宮崎市)の濵村哲之進会長は、そう言って肩を落とす(資料1)。

測量や地質調査を手掛ける同社は2018年、ベトナムに現地法人「アースベトナム建設コンサルタント」を設立し、同国で建設コンサルタント業務の受注を目指していた。濵村会長が現地法人の社長も兼ねる。
そもそも同社は、国内市場の閉塞感から15年にベトナムで人材育成事業を開始した。ホーチミン市建設短期大学に日本語や日本の建設技術を学ぶ講座を設け、卒業生を「高度外国人材」として、日本国内の建設企業に紹介する事業だ。