建設DX(デジタルトランスフォーメーション)に向けて、2022年度はICT(情報通信技術)政策が一気に動き出す。国土交通省は小規模現場でも使えるICT施工の要領を取りまとめ、ICT建機の認定制度を始める。中小企業のDXに追い風が吹きそうだ。経営事項審査の電子申請化や監理技術者の兼任を認める制度改正なども控える。注目政策の内容と展望を解説する。

特集
建設DX、注目政策一気見せ
目次
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中小企業にもICT施工促す
安価で導入できる技術を施工要領に盛り込む
国土交通省は、国や自治体が発注する小規模な現場に対し、利用が伸び悩むICT(情報通信技術)施工を後押しする。
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建機の自動運転に共通ルール
より効率的な研究開発が可能に
建設工事における自動化施工の技術開発を加速するため、国や関連機関が基準整備を急いでいる。
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猶予は1年、工事でも適用始まる
3次元データの管理システムも秋に稼働へ
国土交通省が発注する全ての設計・工事でBIM/CIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング/コンストラクション・インフォメーション・モデリング、以下CIM)を原則化するまで1年を切った。
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xROAD本格化、点検データ公開
データベースを民間開放して知恵呼び込む
国土交通省は2022年5月10日、全国の道路施設の諸元や点検結果などを一覧で表示するシステム「全国道路施設点検データベース(DB)」のうち、位置や完成年度、点検の判定区分などの情報を登録した「基礎DB」を無料で公開した。
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ICTで監理技術者の兼任認める
遠隔からリアルタイムで映像確認などの条件付き
国土交通省は2022年5月31日、技術者制度の見直しに関する方針を取りまとめた。ICT(情報通信技術)の活用によって、監理技術者が2つの現場を兼任可能とする方針を示した。専任義務の緩和に当たる。
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建設業許可と経審が電子申請に
要望強かった「通知機能」は見送り
国土交通省は2023年1月、建設業許可と経営事項審査(経審)の申請を電子化する。従来の書面での申請は引き続き受け付けるほか、インターネットを介した電子申請を認める。