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中国自動車道リニューアル工事では、区間によって工事の様相が全く異なる。中国池田IC(インターチェンジ)-宝塚IC間では、上下6車線のうち4車線を確保しながらの分割施工を実施。住宅が密集する区間では多重の騒音対策を講じて、橋脚を改造する工事が進んでいる。

 終日通行止めで施工している吹田JCT(ジャンクション)─中国池田IC間と違い、隣の中国池田IC─宝塚IC間では、一部の車線を規制しながら通年で工事を進めている。

 同区間内にある川西高架橋を取材に訪れた2022年6月には、高速道路の真ん中2車線分に据え付けた高さ8mほどの床版架設機(門形クレーン)で、2車線分の床版の撤去・架設を進めていた(資料1)。

資料1■ 川西高架橋の床版架設の様子。2022年6月2日に撮影(写真:大村 拓也)
資料1■ 川西高架橋の床版架設の様子。2022年6月2日に撮影(写真:大村 拓也)
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 「大阪国際空港が近くにあり、高さ制限を侵してしまう通常のクレーン車が使えなかった」。西日本高速道路会社関西支社福知山高速道路事務所おおい小浜工事区の森園洋臣工事長は、こう話す(取材時は保全サービス事業部改築課の課長代理)。

 同区間は上下6車線で7万台以上の交通量がある。基本的には6車線のうち4車線を常に生かしながら、床版などを取り換えていく(資料2)。横河ブリッジ・三井住友建設・IHIインフラシステム・奥村組・横河NSエンジニアリングJVが施工を担当する。

資料2■ 上下4車線を確保しながら3分割施工
資料2■ 上下4車線を確保しながら3分割施工
(資料:西日本高速道路会社)
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 現場代理人を務める同JVの前田義孝所長は、「車が走っている真横で、巨大な床版架設機を組み立てるのに苦労した」と振り返る。高さ8mほどの架設機をそのまま組み立てようとすると、組み立て中に倒れる恐れがある。そこで地面近くで架設機を組み立てた後に、主桁とフレームのつなぎ目のピン構造を回転させて立ち上げる方法で、供用路線への影響を抑えた。

 お盆など交通量が多くなる時期は全線開放する必要があるため、更新した床版と既設の床版の隙間には、荷重支持板を据え付けて、仮縦目地を施す。

 「タイヤが乗りにくい位置とはいえ、もし乗り続けても大丈夫なように輪荷重走行試験で耐久性を検証済みだ」(前田所長)