全1097文字
PR

売り上げ規模の大きい建設会社の粗利率や利益に減少の傾向が見られる。資材や原油などの価格高騰が、建築だけでなく土木にも悪影響を及ぼしているとの声も上がる。価格転嫁に向けた発注者との交渉や、受注後の迅速な資材調達など、各社は対策を講じている。

 2021年度に期末を迎えた決算を対象とした日経コンストラクション調査に回答した建設会社について、土木、建築それぞれの完成工事総利益率(粗利率)の平均を見ると、前期比で建築が0.3ポイント下がったのに対し、土木は0.4ポイント上昇した(資料1)。

資料1■ 土木の粗利益率は全体として上昇傾向だが…
資料1■ 土木の粗利益率は全体として上昇傾向だが…
2021年度に期末を迎えた決算期とその前期の完成工事総利益率を土木と建築について聞き、それぞれの平均値を示した。カッコ内は有効回答数。日経コンストラクション調査を基に作成
[画像のクリックで拡大表示]

 内実はやや複雑だ。土木の完成工事総利益率の平均値が、この3期の間にどのように推移したかを調べると、土木売上高が100億円未満の会社は一貫して上昇を続けていた。一方、同100億円以上の会社は、当期(2021年度に期末を迎えた決算期)の利益率が前期と比べて0.3ポイント下降した(資料2)。

資料2■ 売り上げ規模の大きい会社は利益率が伸び悩む
資料2■ 売り上げ規模の大きい会社は利益率が伸び悩む
2021年度に期末を迎えた決算期とその前期、前々期における土木の完成工事総利益率の平均値を、土木の売上高が100億円以上の会社と100億円未満の会社に分けてグラフにした。19年度の決算期のデータは日経コンストラクションが21年に実施した調査に基づく。カッコ内は有効回答数
[画像のクリックで拡大表示]

 売り上げ規模の小さい会社は販管費比率が高いので粗利率も高くなる傾向があるが、当期は100億未満が上昇、100億以上が下降したことで差が開いた。

 同様の現象は純損益(当期損益)の増減でも起こった。純利益の上位企業は軒並み、前期比で減益となっている(資料3、4)。

資料3■ 純利益上位企業で目立つ減益
資料3■ 純利益上位企業で目立つ減益
21年度に期末を迎えた決算期(単体)の当期利益(純利益)の上位10社。土木の売り上げのなかった会社は除いた。NIPPOはグループ会社を含む「個別業績」の数値。カッコ内は対前期増減率(%)。日経コンストラクション調査を基に作成
[画像のクリックで拡大表示]
資料4■ 純利益でも売り上げ規模が大きい会社ほど減益の傾向
資料4■ 純利益でも売り上げ規模が大きい会社ほど減益の傾向
21年度に期末を迎えた決算期の当期損益(純損益)が前期比で増益だった会社と減益だった会社の割合を、土木の売上高100億円以上と100億円未満に分けて集計した。カッコ内は有効回答数。日経コンストラクション調査を基に作成
[画像のクリックで拡大表示]

 土木売上高が20位以上で赤字を計上した会社は2社あった。前期には1社もなかった。