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国土交通省が主導する3次元都市モデル「PLATEAU(プラトー)」に土木構造物が加わる。プラトーの3次元モデルは、箱型でなく屋根形状まで表現できるため、複雑なシミュレーションが可能になる。2027年度までに500都市のモデル化を目指し、自治体への支援事業が始まった。

 3次元都市モデルのデータの活用で先陣を切ろうとしているのが、国土交通省主導で2020年度にプロジェクトが始まった「PLATEAU(プラトー)」だ。浸水時に垂直避難が可能な建物の抽出、ドローンによる物流の飛行シミュレーターの開発といった活用が期待されており、データの整備が進んでいる。

 プラトーでは21年度までに56都市の建物などを3次元モデル化し、オープンデータ化を完了した。モデル化した面積は約1万km2、建物は約1000万棟に及ぶ。22年度は新たに約60都市をモデル化する予定だ。

 モデル化したデータなどは、一般社団法人の社会基盤情報流通推進協議会が運営するウェブサイト「G空間情報センター」でダウンロードできる。「政府標準利用規約(第2.0版)」など著作権のルールを採用しているため、クレジットを表記するだけで複製や商用利用ができる。

 米グーグルの地図サービス「Google Earth」など一般的な3次元マップは、都市空間の形状を単純に再現した幾何形状(ジオメトリー)モデルなので、地面と建物、建物と建物の区別がつかない。

 対してプラトーは、3次元都市モデルの構築に特化したデータフォーマット「CityGML」を採用しており、建物1つひとつを区別できる。

 CityGMLは、地理空間情報の国際標準化団体であるOGC(Open Geospatial Consortium)が定めたフォーマットだ。ジオメトリーに、建物などの名称や用途、建設年、行政計画といった意味情報(セマンティクス情報)を組み合わせられる。

 CityGMLでは、LOD(Level of Detail)を使って、モデルの詳細度を段階的に定義する(資料1)。LODを定義する対象は、「建築物」や「道路」など。建築物だと、LOD1で分かるのは建物の大きさと高さ。LOD2になると屋根形状まで分かる。21年度に「都市設備」や「植生」などを対象に加えた。さらに22年度には、「土木構造物」などが加わる見込みだ。

資料1■ LODを定義する対象を拡大
資料1■ LODを定義する対象を拡大
CityGMLで定義するLODの概念。赤丸は、2021年度に対象として追加・拡大した地物。国土交通省の資料を基に日経コンストラクションが加筆
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