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[2023年の動き]2024年度の残業規制の適用を見据え、建設業界は働き方改革などを進めている。23年4月には、中小企業でも月60時間を超える残業に割り増し賃金率50%が適用され、残業減を迫られる。

 あと1年余りで、建設業でも法定労働時間を超える時間外労働に対して、罰則付きの上限規制が課される。2024年4月から、復旧・復興に関する事業でない限り、時間外労働は原則月45時間以内かつ年360時間以内に収めなければならない。全社平均でなく、全ての従業員が達成する必要がある(資料1)。

資料1■ 建設業でも残業規制を2024年4月から適用
資料1■ 建設業でも残業規制を2024年4月から適用
罰則付きの上限規制の仕組み(出所:厚生労働省の資料を基に日経クロステックが作成)
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 特別な事情があって労使が合意した場合でも、時間外労働は年720時間以内かつ月100時間未満に抑えなければならない。加えて、月45時間を超えて残業できるのは年間6カ月までだ。規制に違反したら懲役または罰金が科される恐れがある。

 23年度は長時間残業のさらなる抑制策が導入される。建設業にかかわらず全ての中小企業を対象に、月60時間を超える時間外労働の割り増し賃金率が50%以上に引き上がる(資料2)。

資料2■ 割り増し賃金率を引き上げ
資料2■ 割り増し賃金率を引き上げ
2023年4月から適用する割り増し賃金率(出所:厚生労働省の資料を基に日経クロステックが作成)
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 大企業は、労働基準法の改正によって10年4月から50%が課せられていたが、中小企業は負担が大きいとして猶予措置を設け、25%のままだった。しかし19年4月に施行された「働き方改革関連法」で猶予期間の終了が決定。中小企業は対応を迫られている。

 建設現場はいまだに土曜日の出勤が多い。そのため必然的に残業時間も多くなる。建設業界が残業規制に適応するには、週休2日の確保が不可欠だ。

 国土交通省は、23年度から原則全ての直轄工事を発注者指定型の週休2日対象工事で公告する方針を示す(資料3)。地方整備局発注工事は、21年度から全て発注者指定型で公告している。出先事務所発注工事でも受注者希望型から段階的に移行しており、22年度の発注者指定型は70%が目標だ。

資料3■ 2023年度に全ての直轄工事で週休2日
資料3■ 2023年度に全ての直轄工事で週休2日
週休2日の実現に向けた国土交通省の取り組み方針(出所:国土交通省の資料を基に日経クロステックが作成)
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 達成できなかった場合にペナルティーがない受注者希望型より、工事成績評定で減点するなど強制力がある発注者指定型に移行して、週休2日の確保をより前進させる。