土木技術者にとって、資格は実務に欠かせないだけではなく、昇進や転職などキャリア形成を考えるうえでも重要だ。特に技術士と1級土木施工管理技士、コンクリート診断士の3つの資格は、土木分野でニーズが高い。ただ、試験範囲が広く、技術者が不慣れな記述式の回答も課される。闇雲な学習は合格への遠回りとなる。最短距離を進むべく、資格の受験対策で指導経験が豊富な講師らが、効率的な学習のコツを紹介する。

特集
人気資格、合格への道
目次
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キーワード3つを瞬時に出す訓練
技術士第二次試験は、2019年度の改正で択一式の問題が全廃されるなど大きく変化した。採点基準も変わった可能性があり、文章をただ書いて覚える勉強法では合格が難しくなった。受験の申し込みから合格発表まで丸1年と長丁場となる。その時々で早めの準備が欠かせない。
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メリハリつけて高配点の分野を優先
1級土木施工管理技士の試験は出題分野が広範囲にわたる。分野を絞った学習が重要だ。実務で使える知識を養うべく、基準書の章立てを意識して学習する。施工経験記述は、周囲の有資格者に解答案を見てもらい、添削指導を必ず受けよう。
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劣化要因・構造物ごとに語句を整理
コンクリート診断士の試験は、新設から維持管理まで幅広い知識が問われる。記述式は受験生の多くが苦手意識を抱きやすい。その出来が、合否のカギを握る。学習の基本は、過去問を繰り返し解き、劣化要因や構造物ごとにキーワードを整理することだ。
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土木関連資格ガイド
技術士制度は、科学技術に関する高度な知識と応用能力、倫理観を持つ技術者を国が認定するもので、技術士は、土木業界で最高位の資格の1つとして位置づけられている。