技術士第二次試験は、2019年度の改正で択一式の問題が全廃されるなど大きく変化した。採点基準も変わった可能性があり、文章をただ書いて覚える勉強法では合格が難しくなった。受験の申し込みから合格発表まで丸1年と長丁場となる。その時々で早めの準備が欠かせない。
「採点者は、起承転結など文章の良しあしを採点基準にしていない節がある」。こう話すのは、毎年何百人もの技術士試験の受験者を指導する5Doors’の堀与志男代表だ(資料1、2)。
堀代表は、技術士第二次試験の採点方法が「キーワード採点」だとみる。最新の国土交通政策や技術に関連する重要キーワードを、回答で取りこぼしていないかを採点の基準としているという。
しかし、多くの企業では「採点基準を知らない社内の技術士が、受験者にひたすら文章を書かせる指導をしている」(堀代表)のが実情だ。たとえ社内に指導してくれる技術士がいなくても、キーワード採点を踏まえた必要な対策を取った受験者は、受かりやすい。
技術士第二次試験の筆記試験は、総合技術監理部門を除く全部門で、必須科目Iと選択科目II、同IIIの3科目から成る。2019年度の試験制度の改正に伴い、いずれも記述式となった(資料3)。
必須科目Iと選択科目IIIでは、防災・減災や維持管理など時流に沿ったテーマが選ばれやすい。テーマに関連する課題と対策を組み合わせて覚えることが有効だ。例えば維持管理は、「効率化が課題となっており、解決策は新技術導入」などといったように覚える。国土交通省のホームページなどで、国土交通政策に関する最新動向を日々チェックしておこう。