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技術士第二次試験は、2019年度の改正で択一式の問題が全廃されるなど大きく変化した。採点基準も変わった可能性があり、文章をただ書いて覚える勉強法では合格が難しくなった。受験の申し込みから合格発表まで丸1年と長丁場となる。その時々で早めの準備が欠かせない。

 「採点者は、起承転結など文章の良しあしを採点基準にしていない節がある」。こう話すのは、毎年何百人もの技術士試験の受験者を指導する5Doors’の堀与志男代表だ(資料12)。

資料1■ 5Doors’の堀与志男代表。1983年浅沼組に入社し、現場で監督業務、技術部にて技術検討業務を経験。2000年に退社して、04年に5Doors'設立。浅沼組在籍時の1995年から技術士試験の受験指導に関わる(写真:日経クロステック)
資料1■ 5Doors’の堀与志男代表。1983年浅沼組に入社し、現場で監督業務、技術部にて技術検討業務を経験。2000年に退社して、04年に5Doors'設立。浅沼組在籍時の1995年から技術士試験の受験指導に関わる(写真:日経クロステック)
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資料2■ 業界団体の研修会で受験者を指導する堀代表(写真:本人提供)
資料2■ 業界団体の研修会で受験者を指導する堀代表(写真:本人提供)
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 堀代表は、技術士第二次試験の採点方法が「キーワード採点」だとみる。最新の国土交通政策や技術に関連する重要キーワードを、回答で取りこぼしていないかを採点の基準としているという。

 しかし、多くの企業では「採点基準を知らない社内の技術士が、受験者にひたすら文章を書かせる指導をしている」(堀代表)のが実情だ。たとえ社内に指導してくれる技術士がいなくても、キーワード採点を踏まえた必要な対策を取った受験者は、受かりやすい。

 技術士第二次試験の筆記試験は、総合技術監理部門を除く全部門で、必須科目Iと選択科目II、同IIIの3科目から成る。2019年度の試験制度の改正に伴い、いずれも記述式となった(資料3)。

資料3■ 筆記試験は全て論文形式に
資料3■ 筆記試験は全て論文形式に
2019年度の制度変更後の試験概要(出所:日本技術士会の資料を基に日経クロステックが作成)
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 必須科目Iと選択科目IIIでは、防災・減災や維持管理など時流に沿ったテーマが選ばれやすい。テーマに関連する課題と対策を組み合わせて覚えることが有効だ。例えば維持管理は、「効率化が課題となっており、解決策は新技術導入」などといったように覚える。国土交通省のホームページなどで、国土交通政策に関する最新動向を日々チェックしておこう。