走行中給電や太陽光発電、自動運転支援──。モビリティーの変革に伴って、車の効率的な走行以外の機能が次世代の道路に求められている。新たな材料を組み込んだ舗装の上を車が走る実証実験が行われるなど、道路は進化の真っ最中だ。未来の道路づくりをリードしようとする建設業界の動きを追った。

特集
道路、進化中
目次
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車の「移動」が第一優先でなくなる、コロナ禍でさらに進化を遂げる道路
モビリティーの変革に伴って、道路が変わりつつある。これまで車の効率的な走行を目指して整備してきたが、様々な機能が付加されて全く新しい姿に進化しようとしている。コロナ禍によるテレワークの定着などで生活様式が変化したことも、道路の進化を後押ししそうだ。
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給電する道路の実装が間近に、インフラがEVの変革を促す
走行中の電気自動車(EV)に無線で給電する道路が夢物語ではなくなってきた。建設業界では、効率的な給電を目指した具体的な舗装材の検討が進んでいる。2023年度に実用化するための技術が確立されそうだ。
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車道が太陽光発電施設に、簡易施工で高耐久なパネル開発進む
太陽光パネルの新たな設置場所として、広大な発電面積が見込める道路に注目が集まる。道路舗装会社大手は、民間企業の駐車場など私有地への導入に着手した。大型車の走行に対応できる耐久性の検証も進めている。23年度は、公道に設置するための実証実験が始まりそうだ。
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自動運転普及で変わる一般道、建設市場としての将来性は未知数
車両の自動運転は、一般道での実証実験が進む。道路には、車両の走行をサポートする塗料やセンサーなど、これまでにない機能が付加される。道路の設計・施工を手掛けてきた建設企業がこの分野で商機を得るには、より積極的な技術開発が必要だろう。
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受け身の姿勢から脱却する建設業界、未来の道路づくりを主導する
未来の道路づくりを建設業界がリードするには、発注待ちの受け身姿勢からの脱却が不可欠だ。完全自動運転の物流システムの構築や、導電性コンクリートの舗装適用など、道路の新しいイノベーションを起こそうとする動きが建設側から出ている。