建設コンサルタント会社の好調な業績が止まらない。日経クロステックの調査では2022年に期末を迎えた決算で、増収だった会社が68%だった。「増収企業7割」の高水準は6年連続。だが、受注減の会社の割合が前期比で増えるなど好調さに陰りも見える。人材獲得や賃上げの競争激化などが業績に響いてきそうだ。
調査概要は 建設コンサルタント会社ランキング のページ
建設コンサルタント会社の好調な業績が止まらない。日経クロステックの調査では2022年に期末を迎えた決算で、増収だった会社が68%だった。「増収企業7割」の高水準は6年連続。だが、受注減の会社の割合が前期比で増えるなど好調さに陰りも見える。人材獲得や賃上げの競争激化などが業績に響いてきそうだ。
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建設コンサルタント会社の多くは、変わらず好調な業績が続く──。日経クロステックが全国の主要建設コンサルタント会社に実施した調査によると、2022年に期末を迎えた決算で増収だった会社は68%に上る。その水準は、17年に期末を迎えた決算から6年連続でほとんど変わっていない。
好調に推移する国内官公庁発注の業務が建設コンサルタント会社の売り上げに貢献している。前期比で国内官公庁の売上高を増やした会社は67%。上位20社では増収の会社が16社と8割に上る。17社だった前期と同様に増収基調が続く。
新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、渡航制限の緩和が進む。海外での受注活動が再び活発になってきた。JICA(国際協力機構)から受注した大型プロジェクトなどが、各社の売り上げを押し上げている。
業務の効率化に向け、建設コンサルタント会社では新技術の導入が着実に拡大している。9つの選択肢を挙げ、自社で導入して業務効率化に寄与している技術を複数回答で尋ねたところ、「自動設計ツール」を除く8つの技術で選んだ会社の割合が2022年の調査から増えた。
建設コンサルタント会社で、賃上げの流れが続いている。2022年度は、国土交通省が22年4月に賃上げ企業への入札優遇制度を開始したことが影響を与えた。従業員の年間給与を大企業は3%、中小企業は1.5%増やすと表明すれば、直轄工事などの総合評価の入札で加点するものだ。
大手建設コンサルタント会社を中心に人材不足が続く。採りたくても、採用人数が予定数に満たなかった会社は多い。
業務の分野別に見ると、それぞれの上位企業の売上高はおおむね増収だ。次期見通しも、全23部門のうち20部門で「増加」と答えた会社の割合が「減少」を上回る。上位20社が全て増収だった「地質調査」では、次期に減収を見込む会社が多い。
建設コンサルタンツ協会の会員など全国の主要な建設コンサルタント会社519社にアンケート用紙を送付した。有効回答は217社で、回答率は41.8%。