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カギは光ファイバー

 同システムでは、手の動きを1/10に縮小し、アームが物体などから受ける力を10倍にして返すことで、精密な動作を可能にしているという。オペレーターは、ステレオカメラの映像を3Dモニターに出力された操作対象物の様子を見つつ、操作コックピットからのフィードバックを得て、操作を行っているという(図2)。

図2 オペレーターが操作
図2 オペレーターが操作
ゴムや面ファスナーなど、柔軟性のあるものの感触も得られるという。(撮影:日経 xTECH)
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 こうした動作の実現に不可欠なのが、アームの先端にかかる力を精緻に検出する触覚物理センサーだ。今回はアーム先端に光ファイバーを設置し、反射光の波長変化を計測することで物理的な力をリアルタイムに検出している。光ファイバーはグリッパー部分に4本、関節部分に4本設置することで、3次元の力を分離して検出しているという。このほか、直径3.5mmのシャフト先端に関節とグリッパーを搭載しワイヤー駆動するといった微細なメカ構造や、位置と力の精密制御技術なども必要だったとする。

 力の制御や精密な動作は、人と協調するロボットに欠かせない技術だ。今後は医療や介護・介助分野のほか、極限空間での作業が必要となる建設分野、製造分野での応用を狙うという。

見えない傷を一瞬で検知

 同社の代表的なセンサーといえばイメージセンサーである。同社はイメージセンサー金額シェアで51%を獲得しており、現在は携帯機器向けが主力だ。今後は携帯機器領域の拡大に加えて、車載やFAなどの用途に向ける新規領域の拡大も目指している。今回の展示ではこれらの領域を意識した製品の紹介が目立った。

 “目視以上"を狙って実用化されているのが、ソニーセミコンダクタソリューションズの偏光イメージセンサー「Polarsens」だ(図3)。人間の眼では検知できない偏光、つまり光の振動方向を捉えることができる。デモでは、車体塗装の傷や眼鏡などのレンズのひずみを検出するデモが紹介された(図4)。

図3 「目視を超える」偏光イメージセンサー
図3 「目視を超える」偏光イメージセンサー
左が対角11.1mm、507万画素の「IMX250M」、右が対角17.6mm、1237万画素の「IMX253M」。いずれも白黒とカラーがある。(撮影:日経 xTECH)
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図4 通常は確認できない微細な傷を検出
図4 通常は確認できない微細な傷を検出
左の自動車模型の天井の塗装にわずかな傷がある(▼のマークが貼られているところ)。右のモニター中の右画面(通常画像)では確認できないが、左画面(偏光処理画像)ではこすったような傷が分かる。(撮影:日経 xTECH)
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 同センサーでは、4つの偏光方向を取得するため、半導体プロセスにより4方向の偏光子を各画素に配置している。従来のカメラに偏光フィルターを組み合わせて利用する場合はフィルターを回転するといった作業が必要だったが、同センサーの場合は4偏光方向を一度で撮影できる。2018年9月に白黒版を、2018年12月にはカラー版をFA分野に導入済みという。偏光は反射除去や物体の表面の傷・異物・ひずみの検査、形状認識などに利用できる。FAのほか、自動車や監視、医療、AR/VRなどの分野でも需要があるとみて、市場拡大を目指す。