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 「CES 2020」(2020年1月7~10日、米ラスベガス)に出展され、映像技術やVR(Virtual Reality)の専門家が絶賛して話題を呼んだデバイスがある。同年1月7日にパナソニックが発表した新型VR用ヘッドマウントディスプレー(HMD)の試作機で、眼鏡に近いデザインはまさに「VRグラス」だ(図1)(関連記事参照)。

図1 パナソニックの新型VRHMD
図1 パナソニックの新型VRHMD
デザイン性を重視し、複数の種類を試作した。
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 このHMDはCESの同社のプレスカンファレンスで一切触れられず、その裏でひっそりと発表された。パナソニックによると体験者からの評価はおおむね高かったという。会場で体験した米Oculus VRの創業者Palmer Luckey氏もTwitterで称賛した。

 このHMDが話題となったのは、 重い、大きい、画質が良くないというVRの3つの課題を解決したからだ。

 まず注目すべきは、その大きさと重さである。従来のVRHMDより大幅に小型・軽量化し、重さは約160gで、接眼部分のクッションと眼鏡のつるで支える形状とした(図2)。実際に装着してみると、ヘッドバンド無しでも安定する軽さで、違和感なく長時間装着できると感じた。

図2 専用イヤホンは磁石で眼鏡のつるに付く
図2 専用イヤホンは磁石で眼鏡のつるに付く
物理的なIPD(瞳孔間距離)調整機能を備える。
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