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ルネサス エレクトロニクス執行役員常務兼IoT・インフラ事業本部長のSailesh Chittipeddi氏。(写真:同社)
ルネサス エレクトロニクス執行役員常務兼IoT・インフラ事業本部長のSailesh Chittipeddi氏。(写真:同社)
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 新型コロナウイルスによるパンデミックの影響を、さまざまな産業が受けている。その多くはマイナス方向のもので、業績が低迷し、最悪の場合は破綻に至るケースもある。一方でピンチはチャンスとして、新戦略を実行する良い機会だと捉える企業も存在する。大規模なリストラや、周回遅れといわれた買収でメディアを賑わせた、国内半導体メーカーのルネサス エレクトロニクスは新型コロナでの業界の変化をテコに、これまでにない成長戦略を描き、企業風土の変革に取り組むシナリオを描く。

リストラの嵐からグローバル化へ

 ルネサスは日立製作所と三菱電機それぞれの半導体部門が合体して、ルネサス テクノロジとして2003年4月にスタートした(図1)。7年後の10年4月に、NECの半導体部門が分社化したNECエレクトロニクスが合流し、ルネサス エレクトロニクスとして2回目のスタートを切った。ピーク時の勢いを失った部門が合流したため、1回目のスタート以来、ルネサスはリストラの連続だった。

図1 ルネサス エレクトロニクスの歩み
図1 ルネサス エレクトロニクスの歩み
この記事に関係が深いトピックを拾った。(写真は日経エレクトロニクスと日経マイクロデバイス)
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 大規模なリストラが一区切りついた17年2月にルネサスは、電源管理ICなどを開発・製造する米Intersil(インターシル)を買収した。米Intel(インテル)が米Altera(アルテラ)を買収するなどした半導体業界のM&Aブームが一段落した後で、ルネサスはIntersilを買収したため、周回遅れとの批判もあった。が、それまで“純国内"企業だったルネサスに、グローバル企業になる道を開いた。さらに同社は19年3月にタイミングICやRF ICを得意とする米IDT(Integrated Device Technology)を買収した。IntersilとIDTはどちらも中堅のアナログ半導体メーカーで、マイコンが主力のルネサスとは製品における競合が少ないと、同社は説明している。