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Tiger Lakeのダイ(写真:Intel)
Tiger Lakeのダイ(写真:Intel)
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 米Intelは、2020年8月中旬、第2世代の10nmプロセスで造るモバイルPC向けマイクロプロセッサー「Tiger Lake(開発コード名)」の概要を発表した注1)。同年9月上旬に、Tiger Lakeは「第11世代Coreプロセッサー」として製品化された。Tiger Lakeは開発コード名が「Ice Lake」のMPU「第10世代Coreプロセッサー」の後継品に当たる。Ice Lakeは第1世代の10nmプロセスで製造され、CPUコアは「Sunny Cove」、GPUコアは「Gen11」だった。それがTiger Lakeでは、第2世代の10nmプロセス、CPUコアは「Willow Cove」、GPUコアは「Xe-LP」と、主な要素を一新した(図1)。

注1)発表は同社プライベートイベント「Architecture Day 2020」(米国時間の2020年8月13日にオンライン開催)とプロセッサー関連の国際学会「Hot Chips 32」(同20年8月16~18日にオンライン開催)の両方で、ほぼ同じ内容で行われた。
図1 Tiger Lakeの機能ブロック図
図1 Tiger Lakeの機能ブロック図
(図:Intel)
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 まず、プロセス。Intelによれば、同社の10nmプロセスは、他社の7nmプロセス注2)と同等の微細化を実現しているという。第1世代の10nmプロセスでは、SAQP(Self-Aligned Quadruple Patterning)やCo(コバルト)ローカル配線、COAG(Contact Over Active Gate)を導入してEUV(Extreme UltraViolet)露光なしの微細化をうたっていたものの、その実用化は困難を極めた。Ice Lakeから始まった第10世代Coreだが、その後の第10世代Coreは14nm品ばかりである。

注2)例えば、TSMCの「N7」。

 Intelが力を入れている第2世代の10nmプロセスは「10nm SuperFin」と名付けれられた。10nm SuperFinでは、第1世代の10nmプロセス比で大きな改善を施した。改善点は5つある。3つはトランジスタの改善点で、(1)ゲートのプロセスを改良しチャネルの移動度を上げた、(2)ゲートピッチを広げて駆動電流を増やした、(3)ソース/ドレインのエピタキシャル成長を改善して抵抗を低減し、ひずみを増した、である。残り2つの改善点は、(4)新たなHigh-K材料を使ってMIM(metal insulator metal)キャパシターの容量を5倍にした、(5)新たな絶縁材料を使ってビアの抵抗を30%低減した、とする(図2)。

図2 10nm SuperFinプロセスのトランジスタ以外の改善点
図2 10nm SuperFinプロセスのトランジスタ以外の改善点
(図:Intel)
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 同社が「Architecture Day 2020」で示したスライドでは、10nm SuperFinの性能が第1世代10nm比で17~18%程度向上したように見えるものの、どの程度改善したかは明言されなかった。一方、10nm SuperFinの改良版の開発を進めていることが示された。この改良版は、まずはサーバー用MPUといった高性能なプロセッサーなどに適用するようだ。