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ほぼすべてをカバーするThunderbolt 4(画像:Intelの発表資料)
ほぼすべてをカバーするThunderbolt 4(画像:Intelの発表資料)
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 「技術的な目新しさはほとんどない。だが、マーケティングの観点では意味がある」─。インターフェース規格に詳しいある技術者は、2020年7月に米Intelがその特徴を発表した「Thunderbolt(以下、TBT) 4」の意義をこう語る。だが現在、TBTとUSBはほぼ同義だ。現行の「USB 4」は、「TBT 3」を基にした規格だからである。両者とも、コネクターとしてUSB Type-Cを利用する。最大データ伝送速度も、上りと下りそれぞれ約40Gビット/秒(bps)だ。

 USB 4と、TBT 3がほぼ同じになったのは、USB 4がTBT 3の「トンネリング」と呼ぶ仕組みを導入したためだ。トンネリングを使って、USB 3.2のパケットのほか、映像伝送用インターフェース「DisplayPort(以下、DP)」と、ストレージなどとつなぐデータ伝送用インターフェース「PCI Express(以下、PCIe)」をUSB 4のパケットで内包して伝送できる。

 USB 4の登場で、USBはTBTに、あるいはTBTがUSBになった。そんな状況下で、TBTの次世代仕様がなぜ必要なのか。「USB 4.1」といった仕様を策定すればいいのではないか。そんな記者の疑問に対する答えが、冒頭の技術者のコメントである。この背景を考察していくと、Intelと共にTBTを世に送り出した米Appleの思惑に行き着く。

オプション仕様だらけのUSB

 TBT 4はUSBが備える仕様をほぼすべて備える一方、「USB 4に対応している」というだけでは、USBのすべての仕様を満足していない可能性がある(図1)。例えばUSBの最大データ伝送速度に関しては、5Gbpsと10Gbps、20Gbpsの3種がある。加えて、速度に応じて、0.8mや1m、2mと既定のケーブル長が異なる。しかも、USB 2.0なら480MbpsやUSB 3.0なら5Gbpsといった具合にバージョンと最大伝送速度が対応していたが、USB 3.2やUSB 4ではバージョン数だけでは、最大伝送速度は分からない。

図1 Thunderbolt 4と他のインターフェースとの比較
図1 Thunderbolt 4と他のインターフェースとの比較
Thunderbolt 4は他のインターフェースに比べて、要求項目が多いことが分かる。例えば、100W未満の給電(充電)で済む薄型・軽量のノートパソコンに向けて、同パソコンが搭載する複数のThunderbolt 4のうち、少なくとも1つでパソコンを充電できることが求められる。(画像:Intelの発表資料)
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 給電機能に関しても、USBの各世代のバスパワーと「USB Battery Charging(USB BC)」、「USB Power Delivery(USB PD)」がある。加えて、USB PD内には、複数の電力プロファイルが存在する。

 コネクターも複数ある。例えば、以前から存在する標準の「Standard-A」や「Standard-B」、小型の「Micro-A」と「Micro-B」に加えて、最近はType-Cを頻繁に目にするようになった。

 USBの仕様を理解していないと、購入した機器で思ったような機能が使えなかったり、性能を得られなかったりする。そんなとき、「これ1つあれば何でもつながり、どんな機能にも対応します」というインターフェースがあれば、それを選びたくなる。TBT 4はそんな存在だ。