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火災を起こした装置とその周辺(出所:ルネサス)
火災を起こした装置とその周辺(出所:ルネサス)
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 ルネサス エレクトロニクスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)で2021年3月19日未明に発生した火災によって、同社主力の車載半導体など生産ラインが停止し図1)。4月下旬までは仕掛かり品を使うため、出荷が続けられるが、その後は出荷が完全に止まる(図2)。「火災前の出荷水準に戻る(製品出荷の回復率が100%に到達する)のは、生産再開から60~90日後となる」(同社社長兼CEO(最高経営責任者)の柴田英利氏)。そのため同年4月下旬から30日間の5月下旬までは、車載向け半導体不足が顕著になる。その後も、最悪の場合7月下旬ごろまではルネサスからの出荷は完全復活しない。半導体は急には造れない。設備復旧のため、自動車メーカーから那珂工場に人員を送っているようだが、そうした場当たり的な対策ではなく、自動車メーカーや部品メーカーが半導体に対する認識を抜本的に見直さないと、今後も安定調達は難しいだろう。

図1 事故の経緯
図1 事故の経緯
2021年3月21日時点での情報。右端がオンライン会見で経緯や状況を説明する柴田氏。(出所:ルネサス)
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図2 生産再開と完全復旧に向けたロードマップ
図2 生産再開と完全復旧に向けたロードマップ
4月下旬に生産を再開し、そこから5月下旬までは出荷がゼロになる。その後、徐々に出荷を増やしていくが、100%の復旧には早くて6月下旬、遅くて7月下旬までかかる可能性がある。(ルネサスの資料に日経クロステックが加筆)
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