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東レが開発した中空糸状のCO<sub>2</sub>分離膜(写真:東レ)
東レが開発した中空糸状のCO2分離膜(写真:東レ)
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 家庭用浄水器の中空糸などの水処理膜、および炭素繊維を開発する東レは、その2つの技術を応用することで工場の排ガスを“浄化”、つまり二酸化炭素(CO2)を分離・回収する技術を開発した(図1)。中空糸状の炭素繊維で作ったろ過膜「“オールカーボン"革新CO2分離膜」(東レ)である。同社の浄水器で利用する中空糸状ろ過膜に似るが、ろ過するのは水ではなくCO2である。「水処理膜の研究で培った多孔質体技術と、炭素繊維技術をCO2分離膜の開発に生かした」(同社 先端材料研究所 主任研究員の三原崇晃氏)という。

(a)東レが開発したCO<sub>2</sub>分離モジュール
(a)東レが開発したCO2分離モジュール
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(b)東レが販売している浄水器の例
(b)東レが販売している浄水器の例
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図1 浄水器のような棒状モジュールでCO2分離に成功
東レが開発したCO2分離モジュールと、同社が以前から販売している浄水器を比較した。今回試作したCO2分離モジュールでは、長さ30cmの多数の中空糸状CO2分離膜を金属製のきょう体内部に、気体の進行方向に沿って充填した(a)。吸気口からCO2を含む混合気体を入れると、分離膜がCO2を混合気体から分離し、異なる出口から排気する仕組みになっている。東レが開発・販売している浄水器「トレビーノ」も中空糸膜を使う(b)。ただし、浄水器の場合は不純物が廃棄されず目詰まりする。(図:東レ提供の写真に日経クロステックが加筆して作成)