ドイツの研究所Fraunhofer Center for Silicon Photovoltaics(CSP)と同Fraunhofer Institute for Solar Energy Systems(ISE) は2022年2月、共同でシリコン(Si)系太陽光パネルのSiをリサイクルし、それを基に最新のPERC(Passivated Emitter and Rear Cell)型太陽電池セルを作製したと発表した。困難とされてきたSiのリサイクルが軌道に乗れば、太陽光パネルを構成するほとんどの材料の再資源化が実現する。
ドイツは電力の固定価格買い取り制度、いわゆるFeed-in Tariff(FIT)制度を早くから導入した国である。ただ、ISEによればドイツで太陽光発電の大量導入が本格的に始まったのは、太陽光パネルの価格が急激に下がった2009年だという。結果として、2029年以降、太陽光パネルの大量廃棄問題が深刻になるとISEはみている。現時点でドイツに導入されている太陽光パネルの総量は約500万トン。Siだけでも15万トンに上るという。