全4253文字

 核融合反応を利用し、そこからエネルギーを取り出す核融合炉の開発速度が増している。特に日米欧中露などといった国と地域による共同プロジェクト「ITER(国際熱核融合実験炉)」の運転開始が2025年に控えており、気候変動問題解決の一助になるのではないかと期待されている。この核融合の分野で高い技術力を保有し、世界の注目を集める日本企業がある。京都大学発のスタートアップ企業である京都フュージョニアリング(京都府宇治市)だ。

 既に総額20億円の資金を調達しており、大手メーカーなどからのアプローチも絶えない。同社は「日本が核融合炉開発の中心地になる」と訴える。その根拠とは何か、なぜ国際プロジェクトが進行する中でスタートアップ企業に注目が集まるのか。Co-Founder & Chief Executive Officerを務める長尾昂氏(以下、長尾CEO)とCo-Founder & Chief Fusioneerを務める小西哲之氏(以下、小西CF)に話を聞いた。(聞き手=野々村洸)

核融合反応=核融合炉は、原子核同士を反応させ、そこから飛び出した粒子が保有するエネルギーを回収する装置。原子核(燃料)には、水素の同位体(中性子数が異なるもの)である重水素(デューテリウム)や三重水素(トリチウム)が想定されている。重水素と三重水素が核融合反応すると、ヘリウム原子核と中性子が生まれる。この中性子(前述の飛び出した粒子に相当)から核融合反応のエネルギーを回収する。
京都フュージョニアリング Co-Founder & Chief Executive Officerを務める長尾昂氏(左)とCo-Founder & Chief Fusioneerを務める小西哲之氏(右)
京都フュージョニアリング Co-Founder & Chief Executive Officerを務める長尾昂氏(左)とCo-Founder & Chief Fusioneerを務める小西哲之氏(右)
後ろにあるのは、マイクロ波でプラズマを加熱し核融合反応を促す機器「ジャイロトロン」。(写真:行友重治)
[画像のクリックで拡大表示]

ITERの開発が進む中で、スタートアップ企業である京都フュージョニアリングが担う役割とは何でしょうか。