全1818文字
PR

 インフラの点検や測量、農薬散布、そして物流にも活用され始めた小型の産業用ドローンだが、最大の弱点は飛行時間が多くの場合、15~20分と短いことである。このため、1回の作業に制約があったり、そもそも物流では長距離を飛ばせなかったりする、といった課題がある。

 もちろん、飛行時間を延ばすためにバッテリー容量を増やすという選択肢はあるものの、国内では最大離陸重量が25kg以上になると、飛行許可・承認を得るためのハードルが高くなる。例えば、第三者上空を飛ばすとなると、航空機相当の厳しい耐空性や信頼性が求められることになる。

 このため、最大離陸重量を25kg未満に抑えるように設計すると、現状のリチウムイオン電池やリチウムポリマー電池のエネルギー密度だと、この程度の飛行時間になってしまうのだ。

 そこで注目されているのが燃料電池である。2022年6月21~23日に開催された展示会「Japan Drone 2022」では、産業用ドローンを開発するベンチャーのロボデックス(横浜市)が、燃料電池を搭載することで最大2時間の飛行を目指すマルチコプター型ドローン「aigis one(アイギス・ワン)」の試作機を出展した(図1)。

図1 ロボデックスが開発した、燃料電池搭載ドローン「aigis one(アイギス・ワン)」
図1 ロボデックスが開発した、燃料電池搭載ドローン「aigis one(アイギス・ワン)」
最大2時間の飛行時間の実現を目指す(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 2022年6月16日に初の飛行テストを行い、30分程度の飛行を複数回繰り返す安定飛行に成功した。2022年10月ごろに長距離飛行を実施する予定だ。その後、開発を完了し、2023年に物流用途などに向けて発売する計画としている。このスケジュール通りに実用化されれば、「国内初の燃料電池ドローンになる」(説明員)。