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 ソニーグループ(ソニーG)がイメージセンサー事業で新たな戦略を打ち出した。画像データではなく目的に合わせた分析データを出力し、市場を社会インフラ全般に拡大する。分析アルゴリズムを継続的に進化させることで、リカーリング(継続課金)型モデルを確立する。

 新戦略を担うのは、画像を取得するイメージセンサーと、データを処理するロジックチップを組み合わせた「IMX500」だ(図1)。画像データを得るだけの従来のイメージセンサーとは異なり、その場でデータを分析して対象物の有無や分類といった結果だけを出力する。いわゆる「AI(人工知能)カメラ」を実現できる。

図1 画像分析機能を持つイメージセンサー「IMX500」
図1 画像分析機能を持つイメージセンサー「IMX500」
(写真:ソニーG)
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 アプリやサービスの開発環境「AITRIOS(アイトリオス)」をクラウド上に構築し、IMX500から収集したデータをサービスに応用することで、継続的に課金してもらうリカーリングビジネスを構築できる。この仕組みは、これまで売り切り型のビジネスモデルが中心だったイメージセンサー事業を大転換させる可能性を秘めている。大手メーカーのスマートフォンの売れ行き次第でジェットコースターのように乱高下していたイメージセンサー事業の売上高が安定するなど、利点が見込めるからだ。

 ソニーGにおけるイメージセンサー事業の2023年3月期の売上高は1兆4400億円と、全社売上高の約13%になる見通しだ。同事業のビジネスモデルの転換とグローバルでの開発体制は、1事業のみならずソニーG全体の変革につながる可能性を秘めている。