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 5G(第5世代移動通信システム)のキラーコンテンツの1つと期待されているのが「メタバース(Metaverse)」である。メタバースとは、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)など仮想現実を包含する新しい言葉で、「超」を表すmetaと「現実世界」を表すuniverseを組み合わせたものである。

 2021年ごろからメタバースという言葉がトレンドとなり、ハードウエア、ソフトウエア、サービス提供企業が続々と登場している。今回は小型で比較的安価なヘッドマウントディスプレー(HMD)を開発してきた中国Nreal(エンリアル)のスマートグラス「Nreal Air」を分解した(図1図2)。

図1 Nreal「Nreal Air」の製品画像
図1 Nreal「Nreal Air」の製品画像
(写真:Nreal)
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図2 「Nreal Air」の主なスペック
図2 「Nreal Air」の主なスペック
(出所:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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 Nrealは2017年創業の若い会社で、中国の北京に本社を置く。数次にわたる出資を受け、早くも2019年には米国ラスベガスで開催された家電見本市「CES 2019」で、初号機となるARグラス「Nreal Light」を披露し、同年発売。22年には機能を抑えたスマートグラスとして小型軽量化したNreal Airを発売した。どちらの製品も、スマートフォンに有線接続して使用する製品である。

 同社はオンライン通販に加え、移動通信事業者経由で製品を発売するというユニークな形態を採用している。日本ではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクから購入可能である。なお、接続できるスマホの機種は限定されるので、購入前に同社Webサイトで対応機種の確認が必要である。