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 「予算委員会で私の代わりに席に座ってもらうのもいいかもしれない。遠隔操作には若干のタイムラグもあって慣れていないけれど、操作に慣れればいろいろなことに使っていきたい」

 デジタル大臣の河野太郎氏は2022年10月21日、初公開された自分そっくりのアバターロボットを遠隔操作し、その後、ロボットを前にこう話した(図1)。現役閣僚がアバターロボットを利用する世界初の実証実験を2022年内に開始することを明らかにした、記者発表会の場でのことである。

図1 河野大臣と自身のアバターロボット
図1 河野大臣と自身のアバターロボット
コンピューター制御で人間のような動きができるのに加え、遠隔操作に対応。眼球の部分に埋め込まれたCMOSセンサーの映像を操作者は見ている(写真:日経クロステック)
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 このプロジェクトは、内閣府が主導し科学技術振興機構(JST)が研究を推進する「ムーンショット型研究開発事業」において、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)インタラクション科学研究所と大阪大学大学院基礎工学研究科の石黒浩教授のグループが目指している、ホスピタリティーが豊かでモラルのある対話や行動ができるアバターロボットの研究開発の一環である。