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 早稲田大学 理工学術院 名誉教授で、同大学 ナノ・ライフ創新研究機構 特任研究教授・名誉機構長の逢坂哲彌氏の研究室は2022年11月、重量エネルギー密度509Wh/kgと高い金属リチウム(Li)負極電池の試作に成功した(図1注1)

図1 早稲田大学が試作した金属Li負極電池のイメージ
図1 早稲田大学が試作した金属Li負極電池のイメージ
当初は右のラミネートセルを想定。写真の電池の正味の寸法は7cm×7cmだが、実用化時には10cm×10cmにする計画(写真:日経クロステック)
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注1)試作したセルはラミネートセルだが、この重量エネルギー密度の見積もりにラミネートやタブの重量は含んでいない。

 これは既存の電気自動車(EV)で用いられている蓄電池セルの2倍弱のエネルギー密度である。同じ容量で比較すると超軽量電池となる。特に、空飛ぶ通信基地局(High Altitude Platform Station:HAPS)やドローン、空飛ぶクルマ(electric Vertical Take-Off and Landing:eVTOL)にとって朗報といえる。