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 日本を代表するAI(人工知能)開発のスタートアップであるPreferred Networks(プリファードネットワークス、東京・千代田、以下PFN) は、深層学習(ディープラーニング)を活用した独自のボリュメトリックキャプチャーシステム「PFN 4D Scan」を開発した。他社システムのような専用のスタジオは不要である。可搬型のシステムで、屋内だけでなく屋外でも、実在の人物やその人の動き、背景など空間全体を3次元(3D)データとして丸ごとキャプチャーし、自由視点の3DCG(コンピューターグラフィックス)動画を制作できる。

 従来のシステムは顔の表情や髪の毛、布の質感など細部の表現が苦手だが、深層学習を使うことで現実の見た目に近い見え方を再現できる点も大きな特徴だ(図1)。

(a)屋外で撮影してCG動画を制作
(a)屋外で撮影してCG動画を制作
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(b)同じCG動画を別視点で見たところ
(b)同じCG動画を別視点で見たところ
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図1 「PFN 4D Scan」で制作したCG動画の例
車1台で運べる可搬型のシステムなので、屋外でも撮影可能。被写体の背景もそのまま取り込める。(a)と(b)の視点が異なっているように、自由視点のCG動画を制作できる。顔の表情や髪の毛、布の質感など細部を表現できているのも従来のシステムとの差異化ポイントだという(出所:PFN)

 同社はこのシステムを、2022年10月26日〜10月28日に開催された展示会「第1回メタバース総合展【秋】」(主催:RX Japan、会場:幕張メッセ)で初公開した。展示会での反響を見ながらビジネス展開を検討していくとしているが、美術館や遊園地などでの体験型コンテンツ、映像・CGの制作、音楽ライブ、仮想空間「メタバース」などでの利用を想定している。