ペロブスカイト太陽電池(PSC)とシリコン(Si)系太陽電池、あるいは、2種類のPSCを使うタンデム型太陽電池の変換効率がここにきて急伸している。
ドイツの材料やエネルギー関連の研究所であるHelmholtz-Zentrum Berlin für Materialien und Energie(HZB)は2022年12月19日、PSCとSi系太陽電池から成る、「PSC-on-Si型」のタンデムセルで、変換効率32.5%を達成したと発表した(図1)。これは、同タイプの太陽電池の世界最高記録となる。
これまでは、スイスの研究所Swiss Center for Electronics and Microtechnology(CSEM)と同国の大学Swiss Federal Institute of Technology Lausanne(EPFL、スイス連邦工科大学ローザンヌ校)が2022年7月に開発した31.25%が最高だった。それ以前の最高値は、HZBが2021年11月に開発したタンデムセルの29.8%。CSEM/EPFLとHZBはこのタイプの太陽電池の変換効率向上でしのぎを削っているわけだ。