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Thunderbolt 4が登場、見えるAppleの影
つぎはぎ仕様のUSBをThunderboltで再統一
「技術的な目新しさはほとんどない。だが、マーケティングの観点では意味がある」─。インターフェース規格に詳しいある技術者は、2020年7月に米Intelがその特徴を発表した「Thunderbolt(以下、TBT) 4」の意義をこう語る。だが現在、TBTとUSBはほぼ同義だ。現行の「USB 4」は、「…
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Intelが本気の10nm、モバイルMPUの詳細を公表
「Architecture Day 2020」と「Hot Chips 32」で連続発表
米Intelは、2020年8月中旬、第2世代の10nmプロセスで造るモバイルPC向けマイクロプロセッサー「Tiger Lake(開発コード名)」の概要を発表した注1)。同年9月上旬に、Tiger Lakeは「第11世代Coreプロセッサー」として製品化された。
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30年来の課題解決に道、SiC MOSFETのコストを激減
京大と東工大のグループが新たな酸化膜形成法
SiC MOSFETにおける積年の課題の解決に向けた道筋が見えてきた。京都大学と東京工業大学の研究グループは、SiC MOSFETのゲート酸化膜の界面で生じる欠陥の密度を約1/10に低減した。新たな作製プロセスで実現した。欠陥の低減により、パワーエレクトロニクスで需要が多い耐圧600~1200V級…
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日立新会社が「幸福度測定」へ、世界に類ないビジネス戦略
まずは幸せな職場作りを支援
日立製作所は2020年7月20日、人間の「幸福度」を加速度センサーで可視化し、それを活用して新事業を創出することを目的とした新会社を設立した。名称はハピネスプラネット(東京・国分寺)。新会社CEOの矢野和男氏は、日立製作所フェローとして幸福度測定の開発を15年ほど続けている。ウエアラブルセンサーを…
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IDMの終焉か? Intel CEOが、「自前プロセスにこだわらない」
微細化競争はSamsungとTSMCの一騎打ちへ
米Intel(インテル)のCEOのRobert Swan氏は、2020年7月23日、2020年第2四半期決算オンライン発表会のプレゼンテーションにおいて、7nmプロセス(台湾TSMCの5nmプロセス「N5」に相当と、Intelが主張)の開発遅れを明らかにした。同時に、必ずしも自前のプロセスにはこだ…
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東芝がLiDAR向け受光技術、太陽光下で200m先を計測
ソリッドステート式で従来の約4倍の測距を実現
東芝は2020年7月7日、車両の高度自動運転に必要な距離センシング技術「LiDAR(Light Detection and Ranging)」の新しい受光技術を開発したと発表した。これまでの「ソリッドステート式LiDAR」と比較して、約4倍の距離を計測できる。2023年3月末までの実用化を目指す。
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水から水素生成が劇的にコスト減、電流密度が50倍に
アルカリ水電解装置に復活の目
自然エネルギーを活用して生成した水素(H2)を基本的な燃料や化学材料として利用する「水素社会」を目指す動きや技術の研究開発が急速に加速してきた。正確にいえば、数年前から水面下で進められてきたさまざまな取り組みが表舞台に上り始めた。
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米国による「第2のCOCOM」か、ファーウェイ排除の表と裏
識者の見解は「米中分離の長期化」
米中の覇権争いで世界が揺れている。米国は、中国が通信や半導体など先端技術の開発を通じて国力をさらに増進することを警戒しており、特に5Gで世界をリードする中国・華為技術(ファーウェイ)に対して厳しい視線を向ける。今後、矛先はファーウェイ以外の中国企業にも向き、技術を軸にした「冷戦」は長く続くかもしれ…
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ファーウェイ締め上げに、「EDA断絶」を狙う米国
何としても先端ICは作らせない
米国が中国・華為技術(ファーウェイ)への規制を強化している。包囲網の切り札として浮上してきたのが、最先端半導体の開発に不可欠なEDA(Electronic Design Automation)ツールだ。同社が強みとするプロセッサーやベースバンドICなどの設計には、米国企業製のEDAツールが欠かせな…
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オンライン会議の音漏れ防止に空間ノイズキャンセリングは有効か
遠隔センシングと薄型スピーカーで消音へ
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オンライン会議が増えた。自宅のリビングやオフィス、喫茶店など、どこでもミーティングに参加できる一方で、問題になるのが声だ。密閉された会議室とは異なり、どうしても周囲に声が聞こえてしまう。
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AppleがMacで「脱Intel」、Armベースの自社製プロセッサー
55兆5000億円のアプリ経済圏に地殻変動
「Apple Siliconが最高の技術と性能をもたらす」─。米Appleが2020年6月に開催した開発者向けイベント「WWDC20」の基調講演で、同社CEO(最高経営責任者)のティム・クック氏はパソコン(PC)「Mac」シリーズに、自社製プロセッサー(SoC)「Apple Silicon」を搭載…
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Samsungが超多画素化競争点火、撮像素子でソニーに挑戦状
「肉眼超え」の6億画素を目指す
「人間の肉眼は5億画素相当。我々はそれを超える6億画素のイメージセンサー実現を目指すことで技術の限界に挑戦する」─。韓国Samsung Electronicsは2020年4月、同社EVP、Head of Sensor Business Team、 System LSI BusinessのYongi…
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アンモニア合成に新触媒相次ぐ、阪大は海水を生成の原料に
東工大は常圧・低温の合成手法強化へ
自然エネルギーと簡単な装置で、あちらこちらでアンモニアが生成できるようになる─。そんな研究が日本で進んでいる。2020年4月、アンモニア合成に関わる技術を東京工業大学と大阪大学が相次いで発表した。東京工業大学は50℃未満・常圧で働く触媒、大阪大学は常温・常圧で働いて太陽光(紫外線)と海水などからア…
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リストラ連鎖から脱出のルネサス、実は成功だった米国企業買収?
IDT出身の“外様”事業本部長が呼び込む新しい風
新型コロナウイルスによるパンデミックの影響を、さまざまな産業が受けている。その多くはマイナス方向のもので、業績が低迷し、最悪の場合は破綻に至るケースもある。一方でピンチはチャンスとして、新戦略を実行する良い機会だと捉える企業も存在する。大規模なリストラや、周回遅れといわれた買収でメディアを賑わせた…
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「突然、武漢は封鎖された」、新型コロナ震源地で何が起きたのか
メイコー武漢工場の現状を聞く
新型コロナウイルスの震源地とされる中国・武漢市(湖北省)。そこで工場を運営する日本企業は2020年1月下旬、中国当局が突然出した都市封鎖の指示で混乱に陥った。当初は目的が知らされなかったが、後に感染症拡大を防ぐ処置と判明した。武漢市の工場で、主に車載向け基盤を設計・製造するメイコーもその1社だ。現…
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「脱中国は間違いなく急加速」、新型コロナで台湾EMS幹部
顧客からの発注回復は2020年秋以降を見込む
中国の湖北省武漢市を発生源とする新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的な流行)は、世界の電子機器産業の足元を大きく揺さぶった。スマートフォン、パソコンなど電子機器の製造を支えるEMS(電子機器の受託製造サービス)/ODM(指定された製品の設計・製造サービス)の工場を長期間操業停止に追い込み、…
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新型SEは分解しても“iPhone 8”、同じ設計を6年使い回すアップル
大きな違いは基板のみ
2020年4月24日に米Apple(アップル)が世界で発売した新型iPhone SE(以下、SE)。外観や機能からiPhone 8(以下、8)の流用部品で作られているのではないかという推測が成り立つが、果たして実際はどうなのか。電子機器の分解・分析を専門とするフォーマルハウト・テクノ・ソリューショ…
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しゃべるマスク、語る仏像、あなたに話しかける「音のAR」
NECが香川県の善通寺で実証実験、空海の教えを学ぶ
「おい、そこの君、私を持っていかなくていいのかい?」――。朝、家を出るとき、マスクがあなたにそうささやく。身の回りのありとあらゆるモノがしゃべりだし、自分に話しかけてくる。そんな世界を創り出せる技術が生まれつつある。
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「AI人材なのに安すぎる」、パナソニック新採用制度の狙い
富士通、年収2500万〜3500万円の制度計画
「安い」「これなら中国へ行くよ」「有期雇用でこの待遇なら2000万円は出してほしい」─。インターネットの掲示板がある話題で荒れた。匿名故に遠慮のない言葉、ときには暴言まで飛び交う。その話題とは「パナソニックが募集するAI人材の待遇」である。
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アップルとグーグルの、濃厚接触通知サービスを調査
コロナ感染者との接触を判定、プライバシーは守れるか
米アップル(Apple)と米グーグル(Google)は2020年4月10日に「Exposure Notification(EN)」の共同開発を発表した注1)。新型コロナウイルスに感染した患者に濃厚接触した疑いのある利用者に対してスマートフォンで通知する仕組みで、同年5月にも各国の公衆衛生当局向けに…