Emerging Tech
目次
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マイクに続き来るか、圧電MEMSスピーカー
TWSで採用の動き
米Appleの「AirPods」に代表される、TWS(True Wireless Stereo)イヤホンではMEMSのマイクロホンが多数使われる一方で、スピーカーは電磁石で駆動する部品が使われ続けている。理由は、スピーカーの性質と微小機械であるMEMSはそもそも相性が悪いからだ。しかし、スピーカー…
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インテル独壇場にクアルコム挑む、仮想化基地局「vRAN」主導権
楽天モバイル(以下、楽天)が全面的に採用したことで世界的な注目を集めている仮想化基地局「vRAN」。2022年2月末から3月頭にかけて開催されたモバイル業界最大級のイベントである「MWC Barcelona 2022」(以下、MWC 2022)においてvRANは主役の1つだった。現在vRANのチッ…
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ミライのFCスタックに、8万円超のプラチナ
FCセルの元素組成を分析
日経クロステックでは、分析・計測機メーカーの堀場製作所の協力を得て、トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)である新型「MIRAI(ミライ)」の燃料電池(FC)セルの構造・材料分析を行った。FCセルは水素タンクからの純水素と空気中の酸素から水と電子をつくる働きがある。層の厚さや組成、構造が明らかになった…
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裸眼立体視装置が続々実用に、3Dテレビの悪夢を克服できるか
3次元(3D)映像を裸眼で立体視できる「立体ディスプレー」の製品化が各所で進んでいる。以前から開発例はあったものの、研究レベルにとどまっていた。映像技術の進化により表示コンテンツが拡充されてきたことが追い風となった。不発だった「3Dテレビ」に比べて手軽さや表示品質が向上した表示デバイスが、新たなニ…
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電池だって3Dプリンター、全固体との相性抜群
金型代替はもちろん、さまざまな製品の精緻な模型、生体組織から家まで3次元(3D)プリンターによる成形はその適用対象を急速に広げている。そしてついに、高エネルギー密度の全固体電池の製造にも用いるフェーズになってきた。既に量産は始まっている。どのようなメリットがあり、開発や製品化がどこまで進んだのかを…
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一人負けのIntelが反撃策 PC伸びず、メタバースに張る
2021年に世界半導体市場が前年比26.2%成長した中で、米Intel(インテル)はたった1%しか売上高が増えなかった。厳しい状況の中、CEOのPat Gelsinger氏が投資家向け会議(米国時間の22年2月17日に開催)で26年に2桁成長を達成すると宣言、同氏と幹部がそれに向けた新製品や新技術…
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中国50万円EVのインバーター、超低コスト実現の見事な設計力
中国で大ヒットを記録している50万円の電気自動車(EV)、「宏光MINI EV」(上汽通用五菱汽車)。名古屋大学は、同車の三相インバーターを分解・調査した。判明したのは、部品の統合化やメリハリ設計によって、極限までコストをそぎ落とす見事な設計力だった。日本人エンジニアが開発をサポートしたとみられる…
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ニッケル一時価格10倍に、3割ロシア企業産でEVに暗雲
ロシアによるウクライナ侵攻は、原油や天然ガス、パラジウム(Pd)、ネオン(Ne)といった希ガスなどの燃料や鉱物資源の多くに安定供給の危機をもたらしている。EV向けリチウム(Li)イオン電池(LIB)の材料も例外ではない。高品位ニッケル(Ni)だ。
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ソニーのロボット開発最前線、人に役立つ要素技術を蓄積
ソニーグループは、現在、「人に役立つロボット」の開発に取り組んでいる。狙うのは、少子⾼齢化などによる労働⼒不⾜に向けて物理的なタスクを代替するロボットだ。その開発の総本山が、R&Dセンター Tokyo Laboratory 24である。同組織が開発中のロボットの詳細を取材した。
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太陽光パネルが超大型化、セル寸法では業界が分裂
Si系太陽電池に5つの技術的な岐路
太陽光パネルや太陽電池セルに大きな技術的変化が幾つも起こっている。それらと太陽電池の主原料である多結晶シリコン(Si)の高騰を背景に、それぞれの選択肢で太陽電池セルやパネルメーカーが揺れており、2陣営に分かれてきた。こうした状況を知ることで今後の太陽電池セルや太陽光パネルの変化を見通すことができそ…
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“脱リチウム”電池時代到来、エネルギー密度10倍も視野に
リチウム(Li)の市場価格が高騰する中、Li以外の電池内キャリアを使う蓄電池技術の開発が急速に進んでいる。既にナトリウム(Na)イオン2次電池は量産が始まりつつあり、亜鉛(Zn)や鉄(Fe)を使う技術がそれを追う。これまでやっかいものだった二酸化炭素(CO2)をエネルギー媒体とする技術も登場。
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世界のグリーン水素計画が加速、国内総電力需要を超える規模に
グリーン水素の量産計画および1システム当たりの生産量が急増している。計画生産量の合計は既に日本の全消費エネルギーを超える。近い将来、オーストラリア、南米、中東、アフリカ、そしてインドがグリーン水素大国になりそうだ。
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Li-S電池が1000サイクル超え、全固体で500Wh/kgも視野に
これまで短命だったLi-S2次電池の寿命が飛躍的に延び、1000サイクルを超える開発例が相次いでいる。技術の進展に応じて、事業化に向けた動きも活発で、航空機大手の米Boeingのみならず複数のEVメーカーが次々と電池メーカーの青田買いを始めた。サイクル寿命の伸長により、EV用途でも有力視されてきた…
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ソニー、LGがEV参入へ CESで見えた業界再編の胎動
CES 2022報告
2年ぶりのリアル開催となった世界最大のテクノロジー見本市「CES 2022」(2022年1月5~7日、主催:全米民生技術協会)。開催直前の新型コロナウイルス・オミクロン株の感染急拡大により、米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)、米Google(グーグル)、米Meta(メタ)など大手が相…
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脱炭素で追い風吹くパワエレ、基礎研究充実が一層重要に
「NE主催 パワー・エレクトロニクス・アワード 2021」の贈賞式が2021年12月16日に東京都内で開催された。オンラインに加えてリアルで実施した今回は多くの聴講者が参加し、カーボンニュートラルの実現に必要不可欠なパワーエレクトロニクス技術の最新動向に関する講演に耳を傾けていた。
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ペロブスカイト太陽電池が量産、大面積化では国内企業がリード
2008年に日本で生まれ、既存のシリコン(Si)系太陽電池を超える可能性があるペロブスカイト太陽電池(PSC)の実用化がいよいよ始まった。量産第1号は日本の旅行会社H.I.S.が育成したポーランドのベンチャー企業だった。最初の開発から12年での量産開始は他の太陽電池技術にない速さだ。大面積モジュー…
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ソニー渾身のドローンを分解、理想実現に独自開発てんこ盛り
ソニーグループが自らの技術を突き詰めて開発したドローンが「Airpeak S1」である。ソニーグループからの誘いを受けて今回、日経クロステックでは、同社の技術者の分解作業に立ち会った。そこで明らかになったのは、映像クリエーターにとって必要な性能を引き出すべく独自開発した多数の部品や、隅々までこだわ…
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新型パワー半導体本格利活用へ 最優秀賞は産総研のSiC新技術
「パワー・エレクトロニクス・アワード2021」審査会
日経エレクトロニクス(NE)は、「NE主催 パワー・エレクトロニクス・アワード2021(NEパワエレアワード2021)」の最優秀賞と審査員特別賞を決定する審査会を2021年10月21日に開催した。
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10m級無線給電が始動、まずはセンサー用途から
総務省の規制緩和を受け10mを超えるような無線給電技術を実用化する動きが活発化してきた。先陣を切るのは、920MHz帯を使ったmW級の給電システムを提供するベンチャー企業。東芝や米国企業などは、比較的大電力な送信に向けて人体への照射を避ける技術の開発に取り組む。スマートフォンやドローンに給電できる…
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iPhone 13シリーズ4機種を分解、スタンダードとProで境界くっきり
2021年9月、米Appleは新型iPhoneである「iPhone 13」シリーズ4機種を発売した。サイズのラインアップは前世代の「iPhone 12」シリーズと同様で、日本版は5Gミリ波に対応しなかったため、ハードウエア的に新規に搭載された機能はほぼない。では中身は前世代からどのような進化を遂げ…