Emerging Tech
目次
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核融合発電の主役はスタートアップ、日本はレーザーや「ジャイロトロン」に強み
商用化が見えてきた核融合(2)
核融合発電の実現に向けて、スタートアップの役割が増している。大学や研究機関が培った最新技術をスタートアップが事業化することで、核融合の早期実現に期待がかかる。スタートアップの起業が世界的に増えるなか、日本でも先端技術の開発などで活躍する事例が出始めている。
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「こんなん使えへん」、材料探しの底なし沼にはまった川崎重工のタンク開発
川崎重工「すいそ ふろんてぃあ」開発物語(2)
海を越えて水素を運べる世界初の船である「すいそ ふろんてぃあ」。川崎重工業(以下、川崎重工)の社内でその開発が本格化したのは2010年代前半のことだった。-253℃を維持し、水素を液化状態で保つ貯蔵タンクの構造には大いに頭を悩ませたが、苦心惨憺(くしんさんたん)の末に船舶用タンクとして異例の「真空…
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まだ続く半導体微細化、最終到達点は「究極のトランジスタ」CFET
「ラピダスもいずれ乗り越えなければならない技術になる」。半導体製造受託会社Rapidus(ラピダス、東京・千代田)の関係者がこう見据えるのは、次世代のトランジスタ構造「CFET(Complementary FET)」である。
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地球をぐるりの海の通信基盤「衛星VDES」、経済安全保障を軸に日本が主導へ
米中対立の深刻化をきっかけに重要度を増している経済安全保障。その最たるものが先端半導体の国内量産拠点の確立だが、対象となっている技術は他にもある。その1つが、日本政府が2022年に立ち上げた経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)にも選ばれた「衛星VDES(VHF Data Exc…
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日の丸は二度と負けない、-253℃で水素を運ぶ川崎重工「すいそ ふろんてぃあ」
川崎重工「すいそ ふろんてぃあ」開発物語(1)
次世代エネルギーとして期待が高まる水素。実用化するには安価な水素の安定供給が必須となる。この要件を満たすべく川崎重工業(以下、川崎重工)が開発したのが、液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」だ。
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理想的な次世代エネルギーが、早期商用化へ参入続々
商用化が見えてきた核融合(1)
核融合発電の商用化に向けて産業界の動きが活発化している。各国政府主導の研究プロジェクトが進んでいるほか、近年は核融合発電関連のスタートアップの起業が相次いでいる。
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アンモニア合成に大変革、東大などが空気と太陽光のみで実現へ
2022年12月、東京大学、九州大学、大同大学の3大学は「常温常圧の環境下、可視光エネルギーを用いて 窒素(N2)ガスをアンモニア(NH3)へと変換することに世界で初めて成功した」と発表した。
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ソニー・ホンダとパナソニックに聞く、注目の初公開EVとペロブスカイト太陽電池
2023年1月初頭に開催された、世界最大のテクノロジー見本市「CES 2023」(2023年1月5~8日、米国ラスベガス)。ソニーグループの展示の主役は、ソニー・ホンダモビリティが初披露したEV(電気自動車)の新ブランド「AFEELA(アフィーラ)」のプロトタイプだった。
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ラピダスを設計視点で考察、TSMCに量産で勝てぬも日本復権に寄与
日本政府の半導体復権への肩入れは半端ない。例えば、半導体装置・材料の展示会「SEMICONJapan 2022」(東京ビッグサイトで2022年12月14~16日に開催)のオープニングセレモニーに内閣総理大臣の岸田文雄氏が登壇して聴衆を驚かせた。
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EV化で加速するパワエレ技術、高速デジタル制御で新境地広がる
国内の大学や高等専門学校(高専)などの理工系研究室を対象にパワー・エレクトロニクス(パワエレ)分野の優れた研究を日経エレクトロニクス(NE)が応援する「NE主催 パワー・エレクトロニクス・アワード 2022」。
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次々世代のパワー半導体材料たち、圧倒的潜在力も実用の道のりは遠く
パワーデバイス材料は一般にバンドギャップが広いほど優れた特性を持つ傾向にある。そのため、炭化ケイ素(SiC)のバンドギャップエネルギー(3.3eV)を大きく上回る窒化アルミニウム(AlN、約6eV)、立方晶窒化ホウ素(c-BN、約6.5eV)、ルチル型二酸化ゲルマニウム(r-GeO2、約4.6eV…
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日本置いてけぼりのスマートホーム統一規格、「ECHONET Lite」はガラケーの二の舞か
「これまではスマートスピーカーや家電、住設機器などを手掛けるメーカー各社が独自のプロトコルで囲い込みをしようとした結果、スマートホーム市場が分断されて思うように成長しなかった。
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ラピダスの勝算、小池社長の秘策とは 筋肉質の工場でどこよりも速く多品種生産
緊急解説
2022年12月14日、半導体装置・材料の展示会「SEMICON Japan 2022」(東京ビッグサイト)。その開幕を記念した「オープニングセッション」は異様な熱気を帯びていた。
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大成建設や大林組が“走行中給電用道路”、道路の舗装材料などが成否を分ける
最近になって、中国や北欧で電気自動車(EV)の普及に弾みがつき、世界の市場規模は年間1000万台の大台に乗りつつある。一方で、EVが急増したことで、休日の行楽地などでの充電渋滞が顕在化し、EVの充電インフラの課題があらためてクローズアップされる事態にもなっている。
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深紫外LEDの用途が急拡大、市場は10年で100倍弱
深紫外線、より具体的にはUV-Cと呼ばれる波長が100n~280nmの電磁波を出力するLED(UV-C LED)の市場が急拡大しつつある。
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GAFAも狙う現実と仮想が混然一体の新世界、東大・日立・竹中が挑む
生活支援ロボットや「メタバース」が日常に入り込む世界が、すぐそこまで迫っている。今後はロボット掃除機に掃除を任せるだけでなく、あらゆる家事や介護などをロボットが支援するようになる。
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社会的なインパクトの大きさに高評価、最優秀賞は名工大のEV充電器技術
「パワー・エレクトロニクス・アワード2022」審査会
日経エレクトロニクス(NE)は、「NE主催 パワー・エレクトロニクス・アワード2022(NEパワエレアワード2022)」の最優秀賞を決定する審査会を2022年11月1日に開催した。
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韓国が日本を尻目に水素社会へまい進、総延長50kmのパイプライン計画も進行中
2022年9月30日、韓国の首都ソウル市から高速鉄道KTXで約2時間南下した位置にある光州市で、ある新工場の起工式が催された。固体高分子型燃料電池(PEFC)の世界的なリーダー企業である、英Intelligent Energy(インテリジェント・エナジー、IE)が、地元のスタートアップに自社製品「…
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KDDI総研が6G時代の技術公開、時計もメガネもアンテナに
KDDI総合研究所は2022年10月、開発した技術の内覧会「研究プロジェクト紹介2022」を開催し、第5世代移動通信システム(5G)の次、つまり「Beyond 5G/6G」といわれる次世代の通信や映像符号化技術の開発状況を多数公開した。
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HDで10年単位の技術開発強化、中堅技術人材の育成急務
パナソニック ホールディングス 執行役員、グループ最高技術責任者 小川立夫氏
パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)が技術開発体制の強化を進めている。インフラやエネルギーなど長期戦の分野に耐えられる体制を構築するとともに、ソフトウエアなど短期戦の分野は社外の力を積極的に活用する。