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HDマップの採用第1号は日産か

 REMの応用先としては、リアルタイム更新機能を備えた高精度地図(HDマップ)だけでなく、MaaSやスマートシティーの開発などが挙げられる。

 REMを積極的に使う企業の1つが日産自動車だ。REMで構築したHDマップを搭載する車両を2019年内に発売する。高速道路の複数車線で自動走行に対応し、自動で車線変更できるようにするとみられる注4)

注4)自動車線変更など複数車線での自動走行は、車両側方を検知するためのセンサーの追加だけでなく、リアルタイムに情報を更新できる地図データが重要な役割を担う。具体的には、道路や建物などの時間的な変化が少ない「静的情報」に、一時的な交通規制や事故、渋滞といった時間とともに変化する「動的情報」をひも付けた高精度地図が必要とされる。

 Mobileyeは日産やゼンリンと共同で、日本の全ての高速道路2万5000kmのHDマップを構築した。同HDマップに収容している道路の特徴点は110万点に及ぶが、「容量は400Mバイトに抑えられた」(Shashua氏)という。ドイツのBMWやVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)、中国の上海汽車や長城汽車なども2020年までに同様のHDマップを搭載する車両を発売する見込みである。

 スマートシティー開発の領域でもREMを使う動きが出てきた。Mobileyeは2019年1月、英国の陸地測量部(Ordnance Survey)と共同で、地中に埋め込まれた電線や水道管、ガス管などを“透視”する技術を開発すると発表した(図3)。カメラで地上の信号機や街灯、消火栓などを認識し、その情報から地中の様子を推定するという。地下の工事や将来の都市開発などに使う予定だ。

図3 カメラで撮影した画像から工事用の“地下地図”を構築
図3 カメラで撮影した画像から工事用の“地下地図”を構築
データ収集端末「Mobileye 8 Connect」を搭載する車両を使って、電線やガス管、水道管などの位置を推定できるようにした。(出所:Ordnance Survey)
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