料理を配達する出前(フード・デリバリー)ロボットの「Kiwibot」が、米University of California, Berkeleyのキャンパスとその周辺を走るのは、すでにおなじみの風景になっている(図1)。料理向けに特化し、2017年3月以来、4万回の配達をこなしてきた。現在100以上のロボットを全米12カ所で展開している。サービスを提供する米Kiwi Campus共同創業者兼CTOのJason Oviedo氏(図2)と製品担当のSasha Iatsenia氏(図3)に聞いた。


フード・デリバリーのためのロボット・スタートアップは数多い。その中で、Kiwi Campusの違いは何か。
Oviedo氏:根本的に異なるのは、我々はロボットの会社ではなくデリバリーの会社だと意識していることだ。そのため、2つの面で目指すことが違ってくる。1つは、スケーラブル(規模拡大が可能)であるかどうか。テクノロジー採用の基準(クライテリア)は、コストが安く、製造が簡単かどうかになる。もう1つは、アジリティー(敏捷さ)だ。つまりベストのテクノロジーを実現するのではなく、「これで十分」というレベルのロボットを作る。ロボットとしてはローエンドなものになるだろうが、街の歩道でたくさんのロボットが行き交うためには、そうしたアプローチが求められると考えた。これは会社創業当初からの位置付けだ。
「これで十分」とはどんなことか。デリバリー・ロボットでは、米Starship Technologiesも注目されているが、同社のロボットとどう比較するか。
Oviedo氏:Starshipも米Marbleも自律走行に焦点を当てている。またStarshipは歩道に乗り上げる車輪の仕組みを持つ。これで技術開発コストが高くついている。しかし出前を注文するエンドユーザーのことを忘れていないだろうか。彼らは、毎週何度も注文するので安い料金を求めている。エンドユーザーのためにサービスを向上させ、便利さのためのエコシステムを作ることが必要だ。