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スマートフォンなど既存のインフラを転用することでシステムの導入コストを大幅に低減したり、アンテナだけでなく無線送信回路も印刷技術で作製したりしたRFIDタグやIoT端末が登場してきた。導入コストやメンテナンスコストが大幅に下がることで、RFIDタグのコスト1円/枚が視野に入り、普及に拍車がかかりそうだ。

 商品に貼り付けて物流を管理するRFIDタグや各種センサーを備えたIoT端末に技術的変革の動きが出てきた。これまでRFIDタグやIoT端末に付きまとっていた課題を解決することで、導入コストやメンテナンスコストが大幅に下がることにつながり、これまで導入が進んでいなかった分野や用途に、同技術が広く普及する可能性が高まってきた。

 RFIDタグやIoT端末の課題は、大きく4種類ある(図1)。(1)RFIDのリーダー/ライターのコストが高い、(2)RFIDタグの導入コストが高い、(3)IoT端末の導入および電池の交換などのメンテナンスコストが高い、(4)無線のセキュリティーが心配、といった点で、(1)~(3)はいずれもコストに関する課題である。

図1 RFIDタグ/IoT端末の永遠の課題?
図1 RFIDタグ/IoT端末の永遠の課題?
RFIDタグやIoT端末に付きまとっていた課題が、新発想の技術で解決に向かう可能性が出てきた。
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