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初登場Lyft、気になるTesla

 ライドシェア業界からは今回、米Uber Technologiesの報告がなかった一方で、新たに米Lyftが公道試験を実施した。実際に走行させた車両数は承認数と同じ19台で、総走行距離は約6万9100kmとそれなりの実績を見せた。ただし、自動運転継続平均距離は約41.4kmにとどまる。

 高い自動運転技術を有すると目されるのが、米Teslaだ。前回は実績なし、今回も走行距離はカリフォルニア州パロアルト周辺の約20kmにとどまる。だが、同社は、既に走行しているTesla車に搭載した「シャドーモード」と呼ばれる機能で、自動運転技術をブラッシュアップしている。バックグラウンドで動作する同機能を通じて、人が運転した場合と自動運転技術で運航させた場合を比較し、その結果を基に同技術を改善する。

 例えば、事故を防げたか、あるいは防げなかったかといったデータを収集し、自動運転技術の向上を図る。実際のユーザーの多様な利用状況に準じて比較できる点が、一般的な公道試験に比べた利点である。加えて、既にTesla車は数十万台が稼働しており、収集できるデータも桁違いだ。例えば2019年通年(1~12月)のTesla車の販売台数は36万7500台だった。

 Teslaがカリフォルニア州DMVに2019年12月に提出した報告書の要約によると、シャドーモードを通じて自動運転技術をトレーニングするためのデータを数十億マイル分取得できるという。新型コロナの影響で、Tesla車の売れ行きがどうなるか分からないが、シャドーモードを通じて同社の自動運転技術が2020年も向上するだろう。

参考文献
1)田中など、「新型コロナの感染を抑制できるバイドゥの自動運転タクシー」、『日経クロストレンド』、2020年3月23日.
2)”Apple just dismissed more than 200 employees from Project Titan, its autonomous vehicle group”, https://www.cnbc.com/2019/01/24/apple-lays-off-over-200-from-project-titan-autonomous-vehicle-group.html
■変更履歴
公開当初、本文中でNuroの自動運転継続平均距離を「約3257.9km」としておりましたが、正しくは「約3254.7km」でした。おわびして訂正します。本文は修正済みです。[2020/05/26 15:50]