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米Teslaが2020年9月に開催した蓄電池戦略の説明会「Battery Day」は大きな注目を集めた。投資家には「期待外れ」とも言われたが、そこで述べられた「電池の航続距離54%増、価格56%減」が実現すれば蓄電池やEV業界にとっては大きな衝撃となる。その成否はパナソニックや韓国LG Chemなど既存大手電池メーカーの将来を左右しそうだ。

 「期待外れ」─。それが、米Teslaが2020年9月に開催した同社のLiイオン2次電池(LIB)戦略説明会「Battery Day」に対して米国の株式投資家が持った最初の印象だったようだ。

 理由の1つは、そもそも事前の期待が高まりすぎたからだ。TeslaのCEO Elon Musk氏自身が自らのツイッターなどで、同社が開発する革新的な電池について幾つも情報を流したことでさまざまな噂や憶測が乱れ飛び、動画配信サイトの「YouTube」にはどのような発表があるかについて予測するチャンネルが多数生まれ、お祭り状態になった。

 Teslaの株価は2020年6月末までは1株200米ドル足らずだったが、同8月には最高約500米ドルにまで高騰。その後、いったん下がったもののBattery Day直前には再び450米ドルにまで上がり、1企業の会見前にしては他に類をみないほど盛り上がった。

 ところが、ふたを開けてみると事前のリーク情報とほぼ一致する内容はあるものの、多くの投資家が期待した“LIBの性能を飛躍的に高める革新的技術”やその電池を使ったドローンなどについては言及がほとんどなく、大きくトーンダウンした印象を聴衆に与えた(表1)。

表1 Teslaの「Battery Day」を巡る事前の噂の例と実際の発表内容
(日経エレクトロニクスが作成)
表1 Teslaの「Battery Day」を巡る事前の噂の例と実際の発表内容
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 結果、2日ほどの間に株価は380米ドルまで下落した。