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次世代キャパシターの性能が急速に高まっている。もともと高い出力密度はさらに向上。課題だったエネルギー密度でも、鉛蓄電池やニッケル水素(Ni-MH)2次電池を超える技術が登場してきた。技術的にも従来の電気2重層キャパシター(EDLC)の枠組みを超え、電池技術に近付いた新しい蓄電素子が続々と登場してきている。

 次世代キャパシターの出力密度とエネルギー密度が大きく向上してきた(図1)。その幾つかのエネルギー密度は、ニッケル水素(Ni-MH)2次電池並みで、これまでその値が比較的高かった電気2重層キャパシター(EDLC)やリチウム(Li)イオンキャパシター(LIC)を大きく凌駕する。

図1 重量エネルギー密度でNi-MH2次電池や高出力LIBに追いつく
図1 重量エネルギー密度でNi-MH2次電池や高出力LIBに追いつく
最近のキャパシター特性を備えた新型蓄電素子の、典型的な重量エネルギー密度と出力密度を示した。量産には至っていないが、キャパシターの課題だった重量エネルギー密度は鉛蓄電池を超え、Ni-MH2次電池や高出力Liイオン2次電池(LIB)と並ぶ水準になってきた。出力密度も大幅に向上している。図には示してないが、体積エネルギー密度も同様に向上している。(図:各開発元、および一般的な製品のデータを基に日経クロステックが作成)
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