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金型代替はもちろん、さまざまな製品の精緻な模型、生体組織から家まで3次元(3D)プリンターによる成形はその適用対象を急速に広げている。そしてついに、高エネルギー密度の全固体電池の製造にも用いるフェーズになってきた。既に量産は始まっている。どのようなメリットがあり、開発や製品化がどこまで進んだのかを紹介する。

 印刷を縦方向に積み重ねることで、さまざまな形状のモノを造り出せる3次元(3D)プリンター。これを使っていよいよ、蓄電池、それも全固体電池を造る時代になってきた。

 最初の試みは2013年。米Harvard Universityなどがインク状にした正極や負極の材料を使って、印刷技術で立体的なリン酸鉄リチウム(LFP)系リチウム(Li)イオン2次電池(LIB)を作製したことに、電池関係の研究者は衝撃を受けた(図1)。これをきっかけに、米国の各大学、スイスや英国、中国、日本などで3Dプリンターを使ったLIBなど蓄電池の製造技術の開発が盛んになった。

図1 2013年、Harvard Universityなどの試みに世界が驚愕
図1 2013年、Harvard Universityなどの試みに世界が驚愕
Harvard Universityなどが3Dプリンターで作製したLIB。長辺は約1mm。正極にはリン酸鉄リチウム(LFP)、負極にはチタン酸リチウム(LTO)を用いた。これで電池として動作する。(写真:Harvard University)
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