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 2022年7月2日未明に発生したKDDI通信障害は、障害発生から実に約86時間後の7月5日午後3時36分に完全復旧宣言を出すという異例の事態となった。

 一連の通信障害は、ルーターの新旧入れ替えにより音声トラフィックが15分間不通となったことを皮切りに、音声通話用のVoLTE(Voice over LTE)交換機や加入者データベース(DB)の輻輳(ふくそう)、加入者DBとVoLTE交換機の間のデータ不一致といった事象が連鎖したことで広がった。

 最大約3915万回線、社会インフラとして交通や物流、金融、気象などに使われる重要回線が、3日以上にわたってつながりにくくなるという今回の事態は、過去10年の間に日本で起きた通信障害としては最大規模であり、甚大な被害をもたらしたといえる。

 KDDIはなぜ障害を未然に防ぐことができなかったのか。起きた障害がなぜこれだけ大規模かつ長期化しているのか。もっと早く収束することはできなかったのか。

 原因究明中の部分は多いものの、KDDIが7月3日と同月4日に相次いで開催した会見から、今回の通信障害で何が起きていたのかが徐々に明らかになってきた(図1)。KDDIの対応は適切だったのか。現時点の情報から検証する。

図1 「7月5日の夕刻をめどに全面復旧宣言をしたい」と語るKDDI取締役執行役員専務技術統括本部長の吉村和幸氏(右)
図1 「7月5日の夕刻をめどに全面復旧宣言をしたい」と語るKDDI取締役執行役員専務技術統括本部長の吉村和幸氏(右)
(出所:KDDIのオンライン会見をキャプチャー)
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