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世界最大級のコンシューマーエレクトロニクス国際見本市「IFA 2022」が、ドイツ・ベルリンで3年ぶりに本格開催された(図1)。今回、主催者が掲げたスローガンは「Ready, Steady, Show」。あのアルベルト・アインシュタイン氏が1930年に基調講演を務めた、伝統のある、そして世界から数十万人が集まる大規模見本市を無事に再出発させることが最大のテーマだった。

図1 ドイツ・ベルリン市にある「IFA 2022」会場
図1 ドイツ・ベルリン市にある「IFA 2022」会場
出展社数は2019年の1930社に対して1100社、来場者数は合計24万人に対して16万1000人に減少した(写真:日経クロステック、以下、特記以外同じ)
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 今回はソニーやオランダPhilipsなど複数の大企業が出展を控え、出展社数は2019年の1930社に対して1100社、来場者数は24万人に対して16万1000人と減少した。新型コロナウイルス感染症の影響で、特に中国などアジア地域で海外渡航制限を設けている国が複数あったことが響いた。それでも展示面積は15万1000m2と会場全体の約80%が埋まり、活気が感じられた。

 ドイツのメッセベルリンとIFAを共同で主催する、ドイツ家電通信機器協会(gfu)マネージング・ディレクターのSara Warneke氏は、コンシューマーエレクトロニクスと家電を合わせた「TCG(Technical Consumer Goods)」の世界市場の現状と見通しについて講演した(図2)。TCGの世界市場は2021年に約1.4兆米ドルと2020年比で12.6%成長した。家庭で過ごす時間が以前より長くなるなか、リモートオフィス用のIT(情報技術)機器やエンターテインメント機器などの販売が好調だったという。

図2 新型コロナの「反動特需」は終わった
図2 新型コロナの「反動特需」は終わった
IFAを共同で主催するドイツ家電通信機器協会(gfu)のSara Warneke氏は、「パンデミックの反動による消費ブームは終わった。市場は通常状態に戻った」と述べた
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 しかし、2022年については「パンデミックの反動による消費ブームは終わった。市場は通常状態に戻った」(同氏)とした。消費者心理に悪影響を与えている要因として、1.ロシアによるウクライナ侵攻、2.インフレーション、3.サプライチェーンの問題(半導体不足や中国のロックダウン)、4.コロナ禍、の4つを挙げた。家庭の経済的な状況や、エネルギーや製品価格の上昇によって、消費者が出費を抑える方向に動いているという。