Emerging Tech
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花もバナナもつかめるロボハンド、ブリヂストンが“空白地帯”に切り込む
ブリヂストンが、タイヤ事業の先にある可能性としてロボットハンドの開発に動き出している。タイヤで培ったノウハウを生かし、“ロボットの空白地帯”に切り込む考えだ。「柔らかく持つのに力が出る」(同社)という特徴を前面に出し、2024年度に向けた事業化を目指す。
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「UCIe」が始動、IntelやTSMC Googleらで半導体をギアチェンジ
集積回路を作り込んだ半導体チップを樹脂で固めて、接続端子を加えた半導体パッケージ。多くの人が「半導体」と聞いて思い浮かべるのがこうした姿だろう。この半導体パッケージに、CPUやGPU、メモリー、I/O(入出力インターフェース)制御といったサーバーやパソコンの主要機能を丸ごと集約する動きが加速してい…
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液晶パネルが3Dプリンター市場に参戦、光制御で樹脂硬化
液晶パネル(LCD)は2000年代後半以降ずっと世界で10兆円を超える市場規模を誇る。中でも2021年は、最高の年だったようだ。富士キメラ総研によれば、同年のLCDの世界市場規模は新型コロナウイルス感染症の拡大による“巣ごもり需要"で大型パネルの需要が2020年比で1.8倍と大幅に増えた。市場規模…
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動き出したローカル5G、供給増で進むハードの低価格化
オフィスや工場などの企業向けネットワークに新たな潮流が生じつつある。現在、有線LANのEthernet(イーサネット)、無線LAN(Wi-Fi)の利用が主流だが、これから5G(第5世代移動通信システム)が加わる可能性が見えてきた。そのきっかけとなりそうなのが「ローカル5G」である。
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アシスト記録でHDDがSSDに反撃、東芝が3.5インチ1台で30TB超に王手
データ記憶装置の総出荷台数と総出荷金額で、2020年に初めてNAND型フラッシュメモリーを使うSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)に追い抜かれ、いよいよ風前の灯という見方もあったHDD(ハード・ディスク・ドライブ)。しかし、今後はアシスト記録という新技術の力を得て復活を遂げる可能性が出てきた。
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“苦い過去”乗り越えられるか いすゞやENEOS、電池交換式EVに本腰
電気自動車(EV)の電池「交換式」普及に向けて、国内で2つの陣営が動きだした。充電の手間がなくなり、開発競争が進む電池も古くなれば即座に取り換えられる。このように電池交換式EVは利点が多いものの、“苦い過去”がちらつく。実証実験の壁を越えられるか。
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KDDIが先陣、ネットワークスライシング 現在の限界と進化の道
日本国内で、5G(第5世代移動通信システム)のキラーサービスといわれる「ネットワークスライシング」の商用化が始まった。KDDIが2022年2月末、法人を対象にいち早くネットワークスライシングの商用展開を開始した。ネットワークスライシングは、1つの物理的なネットワークを用途に応じて仮想的に分割する。…
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マイクに続き来るか、圧電MEMSスピーカー
TWSで採用の動き
米Appleの「AirPods」に代表される、TWS(True Wireless Stereo)イヤホンではMEMSのマイクロホンが多数使われる一方で、スピーカーは電磁石で駆動する部品が使われ続けている。理由は、スピーカーの性質と微小機械であるMEMSはそもそも相性が悪いからだ。しかし、スピーカー…
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インテル独壇場にクアルコム挑む、仮想化基地局「vRAN」主導権
楽天モバイル(以下、楽天)が全面的に採用したことで世界的な注目を集めている仮想化基地局「vRAN」。2022年2月末から3月頭にかけて開催されたモバイル業界最大級のイベントである「MWC Barcelona 2022」(以下、MWC 2022)においてvRANは主役の1つだった。現在vRANのチッ…
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ミライのFCスタックに、8万円超のプラチナ
FCセルの元素組成を分析
日経クロステックでは、分析・計測機メーカーの堀場製作所の協力を得て、トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)である新型「MIRAI(ミライ)」の燃料電池(FC)セルの構造・材料分析を行った。FCセルは水素タンクからの純水素と空気中の酸素から水と電子をつくる働きがある。層の厚さや組成、構造が明らかになった…
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裸眼立体視装置が続々実用に、3Dテレビの悪夢を克服できるか
3次元(3D)映像を裸眼で立体視できる「立体ディスプレー」の製品化が各所で進んでいる。以前から開発例はあったものの、研究レベルにとどまっていた。映像技術の進化により表示コンテンツが拡充されてきたことが追い風となった。不発だった「3Dテレビ」に比べて手軽さや表示品質が向上した表示デバイスが、新たなニ…
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電池だって3Dプリンター、全固体との相性抜群
金型代替はもちろん、さまざまな製品の精緻な模型、生体組織から家まで3次元(3D)プリンターによる成形はその適用対象を急速に広げている。そしてついに、高エネルギー密度の全固体電池の製造にも用いるフェーズになってきた。既に量産は始まっている。どのようなメリットがあり、開発や製品化がどこまで進んだのかを…
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一人負けのIntelが反撃策 PC伸びず、メタバースに張る
2021年に世界半導体市場が前年比26.2%成長した中で、米Intel(インテル)はたった1%しか売上高が増えなかった。厳しい状況の中、CEOのPat Gelsinger氏が投資家向け会議(米国時間の22年2月17日に開催)で26年に2桁成長を達成すると宣言、同氏と幹部がそれに向けた新製品や新技術…
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中国50万円EVのインバーター、超低コスト実現の見事な設計力
中国で大ヒットを記録している50万円の電気自動車(EV)、「宏光MINI EV」(上汽通用五菱汽車)。名古屋大学は、同車の三相インバーターを分解・調査した。判明したのは、部品の統合化やメリハリ設計によって、極限までコストをそぎ落とす見事な設計力だった。日本人エンジニアが開発をサポートしたとみられる…
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ニッケル一時価格10倍に、3割ロシア企業産でEVに暗雲
ロシアによるウクライナ侵攻は、原油や天然ガス、パラジウム(Pd)、ネオン(Ne)といった希ガスなどの燃料や鉱物資源の多くに安定供給の危機をもたらしている。EV向けリチウム(Li)イオン電池(LIB)の材料も例外ではない。高品位ニッケル(Ni)だ。
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ソニーのロボット開発最前線、人に役立つ要素技術を蓄積
ソニーグループは、現在、「人に役立つロボット」の開発に取り組んでいる。狙うのは、少子⾼齢化などによる労働⼒不⾜に向けて物理的なタスクを代替するロボットだ。その開発の総本山が、R&Dセンター Tokyo Laboratory 24である。同組織が開発中のロボットの詳細を取材した。
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太陽光パネルが超大型化、セル寸法では業界が分裂
Si系太陽電池に5つの技術的な岐路
太陽光パネルや太陽電池セルに大きな技術的変化が幾つも起こっている。それらと太陽電池の主原料である多結晶シリコン(Si)の高騰を背景に、それぞれの選択肢で太陽電池セルやパネルメーカーが揺れており、2陣営に分かれてきた。こうした状況を知ることで今後の太陽電池セルや太陽光パネルの変化を見通すことができそ…
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“脱リチウム”電池時代到来、エネルギー密度10倍も視野に
リチウム(Li)の市場価格が高騰する中、Li以外の電池内キャリアを使う蓄電池技術の開発が急速に進んでいる。既にナトリウム(Na)イオン2次電池は量産が始まりつつあり、亜鉛(Zn)や鉄(Fe)を使う技術がそれを追う。これまでやっかいものだった二酸化炭素(CO2)をエネルギー媒体とする技術も登場。
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脱炭素で追い風吹くパワエレ、基礎研究充実が一層重要に
「NE主催 パワー・エレクトロニクス・アワード 2021」の贈賞式が2021年12月16日に東京都内で開催された。オンラインに加えてリアルで実施した今回は多くの聴講者が参加し、カーボンニュートラルの実現に必要不可欠なパワーエレクトロニクス技術の最新動向に関する講演に耳を傾けていた。
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世界のグリーン水素計画が加速、国内総電力需要を超える規模に
グリーン水素の量産計画および1システム当たりの生産量が急増している。計画生産量の合計は既に日本の全消費エネルギーを超える。近い将来、オーストラリア、南米、中東、アフリカ、そしてインドがグリーン水素大国になりそうだ。