ドイツSiemens(シーメンス)が、自社IoT(Internet of Things)基盤の強化を急ぐ。これまで産業用IoTで共存関係にあったIT企業のエッジ分野への進出に備え、この分野で確かな地位を築くためだ。同じく産業用IoTに活路を見いだす日本のメーカーにとっても、Siemensの状況は対岸の火事ではない。
産業用IoT(Internet of Things)で製造業は主導権を握れるのか─。産業のデジタル化(デジタライゼーション)に伴って大手IT企業の影響力が日増しに高まる中で、全てのメーカーが直面する課題にドイツSiemens(シーメンス)が先陣を切って挑んでいる(図1)。
同社は、IoT基盤「MindSphere(マインドスフィア)」を次の中核事業として育てるべく、矢継ぎ早に手を打ってきた。2018年8月、アプリケーションの開発支援技術に強いソフトウエア企業の買収を発表。並行して構造改革を進め、モーターなどの既存製品とMindSphereの相乗効果を追求する。