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2019年10月15~18日にかけて「CEATEC 2019」が幕張メッセ(千葉市)で開催された。2016年に家電中心のショーから「CPS/IoTと共創」をテーマとするイベントに生まれ変わって4回目の開催となる。変更以来最大の出展者・小間数となった今回は会場レイアウトを大きく変更した。会場では空飛ぶクルマが目立ち、出展者ではタクシーや航空などエレクトロニクス業界以外の業種が目立っていた。

 CEATECは2016年にこれまでの家電ショーから「CPS(Cyber-Physical System)/IoT(Internet of Things)と共創」をテーマにした展示会に装いを変えた。それから4回目となる「CEATEC 2019」(2019年10月15~18日、幕張メッセ)の出展者数は787社/団体と、2016年以降で最大となった。会場として使用する幕張メッセのホール数も前回より増えるなどここまで順調に拡大を続けている。新規出展者数が304社/団体と全体の4割弱を占めており、展示会のテーマの変化に合わせて新しい出展者を積極的に開拓していることがうかがえる。

 出展者の増加もあって、今回のCEATECでは会場レイアウトが大きく変更された。従来のように、同じ分類の展示を固めて配置するのではなく、ホールを横断して横並びに配置したのだ。レイアウトの変更は「各ホールの混雑具合を均等にすることが狙い」(CEATEC 実施協議会)と言う(図1)。

図1 ブースのレイアウトを大きく変更
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図1 ブースのレイアウトを大きく変更
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図1 ブースのレイアウトを大きく変更
CEATEC 2019は前回のCEATEC JAPAN 2018から企業ブースの配置を大きく変えた。前回までの総合電機メーカーや、部品メーカーなどテーマごとにまとめた配置から、複数のホールを横断する配置にした。(左の図:CEATEC 2019のWebページの図を基に本誌が作成、右撮影:日経 xTECH)

空飛ぶクルマを各社展示

 開会前日の報道関係者向けの説明会では、「これからの10年、20年を見据えた企画を強化した」とCEATEC実施協議会エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏が今年の意気込みを語った。次世代の交通手段として注目されている空飛ぶクルマと呼ばれる電動の垂直離着陸(eVTOL)機はそんな展示の1つだろう(図2)。

(a)NEC
(a)NEC
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(b)タイコエレクトロニクス ジャパン
(b)タイコエレクトロニクス ジャパン
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(c)エアロネクスト
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図2 空飛ぶクルマが登場
NECが試作した空飛ぶクルマ(a)。タイコエレクトロニクス ジャパンが出展した1人乗りの空飛ぶクルマ「rFlight」。ブースではVRを使った飛行体験ができた(b)。エアロネクストの電動垂直離着陸(eVTOL)機の1/3スケールの試作機。同機は実際に飛行できるという(c)。(撮影:日経 xTECH)

 NECは、一般的な4ローターのドローンをそのまま大きくしたような空飛ぶクルマの試作機を見せた。大きさは3.9×3.7×1.5mで実際に人が乗れるようなサイズである。同社は「無人機で荷物の運搬を想定している」という。

 機体は試作したものの、同社は機体そのものを事業化するつもりはないようだ。狙いは、今後登場が予想される空飛ぶクルマの管制システムや運行管理システムである。「空飛ぶクルマの管制システムを作るためには、開発する我々自身が空飛ぶクルマの機体を知る必要がある。そのために今回の試作機を開発した」(NECブースの説明員)。