2020年9月14日、ソフトバンクグループ(SBG)が、傘下の英Armの全株式を米NVIDIAに最大400億米ドルで売却すると発表した。
ArmのCPUコアは、スマートフォンやデジタル家電、米Apple(アップル)のパソコン、さらにはスパコン世界一になった「富岳」まで広範な応用をカバーしている。現在の電子業界で、ArmのCPUコアに関わっていない企業はないと思えるほどの顧客を獲得している。人工知能(AI)や自動運転関連の分野で飛ぶ鳥を落とす勢いのNVIDIAが、プロセッサーのコアで圧倒的シェアと顧客数を誇るArmを手中にすれば、空前絶後の力を持つ半導体メーカーが誕生する可能性がある。
ただし、Armは、SBGのような半導体ビジネスに直接携わらない中立的企業グループが持っていたからこそ座りが良かった面がある。今回のテクノ大喜利では、ArmがNVIDIAに売却される影響について議論した。
半導体産業OB氏 | 大山 聡氏 | 服部 毅氏 | 石野雅彦氏 | |
元 某ハイテクメーカー | Grossberg | 服部コンサルティング インターナショナル | 東海東京調査センター | |
回答総括 | 迷惑千万なNVIDIAへのArm売却、TSMCの方がまだ収まりはよかった | 7手先を読んだArm買収と豪語した孫社長、たった4年で投了とは | 影響力絶大のArmが覇権を争う米企業の手中に、顧客離れは不可避 | Arm売却でNVIDIAの株を大量保有したSBG、その価値は大きい |
【質問1】 NVIDIAは、Armのビジネス価値を最大化できる売却先だと思われますか? | 短期的には大きくできる | 思えない | 思わない | 可能性はあるが、確定していないため、不透明である |
【質問2】 ソフトバンクグループが、Armの売却先としてNVIDIAが最適と考えた理由は何だと思われますか? | 手っ取り早く金が欲しかったから | 買収の提示条件(400億米ドル)が良かったから、と推察される | (1)NVIDIAから買収提案があり、ソフトバンクグループにとっては渡りに船で交渉が容易だったから、(2)業績急成長で時価総額がうなぎ上りで、4兆円規模の買収資金を容易に用意できそうな企業だったから | 企業価値の最大化 |
【質問3】 ユーザー企業やエコシステムを形成する企業にとって、NVIDIAは好ましいArmの売却先だったと思われますか? | 全くもって好ましくない | 思えない | 思わない | ケースバイケース |